真水稔生の『ソフビ大好き!』


第110回 「ゴリの嘲笑・その2」  2013.3

前回に続き、
今回も『スペクトルマン』関連のソフビを紹介します。

今回は、怪獣編です。
宇宙猿人ゴリが、
その優れた科学力と悪趣味なセンスで作り出した怪獣たちは、
異形なる生き物に惹かれる僕ら男の子の神経を、理屈抜きで刺激しました。

土足で部屋に入ってきた相手を
なぜか不快に感じず、
むしろその存在に興味や関心が湧いて好意を持ってしまった、そんな感覚です。

ウルトラ怪獣では味わえない、なんとも異様な魅力があったのです。

僕は、
そんなスペクトルマン怪獣が
マスダヤによってソフビ人形として玩具化された事が、
決して偶然でない気がしてきて、
人智の及ぶところではない “導き” を感じてしまいます。
何度も言うように、
マスダヤのなんとなく野暮ったくて無神経な造形センスが、
スペクトルマン怪獣の野卑でえげつない個性と、絶妙に合っている気がするからです。

そもそもマスダヤは、
マルサンよりも先に『ウルトラQ』の怪獣ソフビを世に放ちながら、
“手踊り人形” という、
怪獣に惹かれる子供たちの気持ちからはビミョーに外れている商品だったために、
玩具メーカーとしては最初の怪獣ブームに乗り損ねています。

江戸時代から商売が続く老舗メーカーゆえ、
流行り物で社運を賭けて勝負する気などさらさら無かったのかもしれませんが、
怪獣玩具では、子供の気持ちに寄り添えていなかったのは確かです。

でも、
そんな “気の利かなさ” は、
根底に、長い年月の間オモチャを作ってきた伝統やポリシーがあるので、
“揺らがないスピリット” という長所的側面を持っていたりもします。

その辺の、
メーカーの特色や事情を神様がちゃんと見ていて、
第2次怪獣ブームの際には、
売れ線のウルトラ怪獣は
イケイケな勢いで綺麗に整った造形をめざすブルマァクに、
キワモノのスペクトルマン怪獣は
そのグロさに対抗出来るだけの図太さ・頑固さを持ったマスダヤに、と
割り振ったように思えて仕方ないのです。

では、
番組の世界観が玩具・人形として見事なまでに楽しく表現された、
その愉快なラインナップを紹介していきましょう。
番組初期に登場した怪獣11体が、
商品化されています。


                 

  ミドロン
  吐く息が強力な毒性を持ったカドミウムの青ミドロになる、というトカゲの怪獣。
  スペクトルマンの光線を浴びて白骨化しながらも、
  息絶える瞬間に
  倒れた状態から頭を起こそうとした、
  オープニング映像にも使用されているあのシーンが印象的です。

  初期の怪獣なので、
  スタッフの、
  実験と言うかチャレンジ精神の表れと言うか、
  モデルアニメーション(人形のコマ撮り)によって描かれていましたが、
  着ぐるみの中に人間が入って演技する怪獣が当たり前だった当時の僕としては、
  見慣れないその独特の動きに
  なんとなく “ぎこちなさ” を覚えました。

  でも、
  それが逆に効果的で、
  ラーのリモコンによって脳波をコントロールされている、という設定に説得力を持たせ、
  リアリティを感じる事も出来ました。

  また、
  息を吐き尽くすと体が小さくなってしまうけど
  汚染された青ミドロを食べさせると再び巨大化する、という特徴も、
  子供にはわかりやすくて、感情移入をアシスト。
  とても魅力的な怪獣に思えたものです。

               

  人形の方は、
  全長約33センチ、と、
  スタンダードサイズの人形としてはやや大きめで迫力があり、
  実物に近いイメージのカラーリングである事も相まって、
  僕のような、
  番組を見てミドロンに惹かれていた子供のハートをガッチリ捕らえる、
  素敵な仕上がりとなっています。

  ちょっと頭でっかちな気もしますが、
  先述した、
  倒れた状態から頭を起こし、最後まで負けまいとしたミドロンの闘志が、
  なんだか強調されているような気がして、
  人形の好感度を上げています。
  マスダヤの無神経な造形センスが “怪我の功名” 的に働いているわけです。


           

  ゼロン
  ゴリが、地底に秘密基地を建設するために作り出した怪獣で、
  地中を掘り進む事に適した、
  破壊力のある太い手足と尻尾、そして硬い皮膚が特長。
  巨大化したスペクトルマンと、初めて組み合って闘った怪獣でもあります。

  物語序盤で
  わりとあっさり倒されてしまった記憶がありますが、
  オーソドックスな怪獣然とした姿形のおかげで、強敵だった印象が残っています。

  人形の方も、
  そんな正統派怪獣のイメージを壊す事なく造形されていて、気持ちが良いです。
  カラーリングは、
  第37回「色違いの妙味」の中でも述べたとおり、
  柑橘類を思わせる明るく爽やかなもので、実物のゼロンの体色とは異なるものの、
  僕らソフビ世代には、
  オモチャとしての健全さを重視したその選択に違和感はありません。
  むしろ、
  正統派怪獣にして正統派怪獣玩具、といった感じで至当です。
  全長約20センチ。


                                   

  ゴキノザウルス
  人間が最も嫌悪する害毒を怪獣に、というゴリの発想で生まれた怪獣。
  これぞ、ザ・スペクトルマン怪獣。
  ゴキブリが巨大化しただけの怪獣なんて、
  ウルトラシリーズには絶対出てきませんからね(笑)。
  強靭な生命力と俊敏さ、といったゴキブリ本来の能力を受け継ぎ、
  目からは破壊光線も放射します。

               

  人形はというと、
  第4回 「身震いするほど夢を見る 〜増田屋スペクトルマンの魅力〜」の中でも述べたように、
  ゴキブリ自体の気色悪さを
  マスダヤの野暮ったい造形センスが程よく緩和させて、
  独特の存在感を発しています。
  ゴキブリを人形にして
  この長閑さ・温かさを出すなんて、もはや “魔法” の域ではないでしょうか(笑)。
  全長約23センチ。

  今から25年前、
  僕がソフビのコレクションを始めた頃は、
  ゴキノザウルスのソフビは
  わりとどこのアンティークTOYショップでも売っていて、
  簡単に入手出来るアイテムだったのですが、
  ゴジラやのオーナー・木澤さんが、

   「一般の人からの買取の際、
    持ち込まれた箱(その人が子供の頃遊んでたソフビ群)の中には、
    結構な頻度で、ゴジラ怪獣やウルトラ怪獣に混じってゴキノザウルスが入ってる」

  って話してくれた事を憶えています。
  番組放映当時に買ってもらった子供がたくさんいた、というわけですね。

  企業として、ゴキブリの化け物の人形発売にGOサインを出すセンスだけでも凄いのに、
  それを人気商品にしてしまったマスダヤって、
  やっぱ、凄い玩具メーカーだと思います。

  世代じゃない人には、
  ゴキブリの怪獣なんて・・・、と理解し難い事かもしれませんが、
  番組を観ている子供がオモチャ屋の店頭でこれを見たら、
  どうにもおねだりしたくなる気持ち・感覚が、僕には凄く解ります。
  現に僕、
  大人になってからも、このように買いましたから(笑)。


                                 

  ダストマン
  元は人間でしたが、
  拉致され、ゴリの人体実験の犠牲に・・・。
  ただ、
  ラーが機械の操作を誤ったため、
  ゴミを食べて無限に巨大化していく、という、とんでもない化け物になってしまいました。
  劇中で叫んだ、

   「俺は人間なんだ!人間なんだよーっ!」

  という声が忘れられません。
  幼い胸が締めつけられる思いがした事を憶えています。

               

  人形の方は、
  第90回「リアルなデフォルメ」の中でも述べたとおり、
  人間と怪獣の間で錯乱するダストマンの苦痛が、
  子供が恐がって泣き出さない程度に
  きちんと表現されている顔の表情が秀逸だと思うのと、
  あと、
  鉄くずや泥を連想させる汚らしい体色をしている実物のダストマンとは対照的な、
  このグリーンの成形色が好きです。
  強い精神力(息子や妻への愛、人間としての誇り)で
  怪獣を構成する体内エネルギーを消滅させて、
  最後は元の人間の姿に戻ったダストマンの、
  その気高さや美しさに通じている色のような気がするからです。
  全長約22センチ。

  でも、
  子供の時は、
  元の姿に戻れて「めでたし、めでたし」って思ってたラストシーン、
  大人になってから見たら、
  その元の姿に戻れたオジサンに蒲生譲二が、

   「たとえ(怪獣にされていた影響で)公害病に苦しんでも、
          生きてさえいれば、いつかきっと青空が戻るでしょう」

  なんて言っている事に気づきました。

    え? このオジサン、この先も苦しむの?

  スッキリとしたハッピーエンドにはしていないンですね。
  やっぱ、
  『宇宙猿人ゴリ』って、重くて暗い番組だったンだなぁ・・・。


         

  ネズバートン
  ネズミと鳩を合成した、ゴリのセンス全開の怪獣。
  人間は噛み殺すわ、病原菌は撒き散らすわ、
  めちゃくちゃ恐ろしいこの怪獣が登場するエピソードは、
  人間が殺される際に鮮血が飛び散ったり、
  犬が人間の腕をくわえてきたり、
  今思い出してみると、とんでもない子供番組でした(笑)。
  怪獣の姿形・性質もストーリーも、
  その映像は、
  絶対にウルトラシリーズでは表現されない世界だったと思います。

  ただ、
  ネズバートンを倒し、
  公害Gメンの仲間の下へ戻ってきた蒲生譲二の服に、
  ネズバートンとスペクトルマンが闘っていた場所にしか生えていない草が
  付いているのを見つけた倉田室長(演ずるは大平透さん)が、
  首を傾げながらも笑い飛ばすラストシーンは、
  なんか洒落てて、とても印象的でした。
  蒲生譲二がスペクトルマンである事は秘密なのですが、
  倉田室長は薄々気づいているのかもしれない、と思ったからです。
  最終回で
  倉田室長が蒲生譲二の正体に完全に気づいた時、
  僕は、このネズバートンの回のラストシーンを思い出し、
  あれから1年経ったンだなぁ・・・、と
  しみじみ感じたものです。

               

  実物のネズバートンがゴリのセンス全開なら、
  人形のネズバートンはマスダヤのセンス全開です(笑)。
  どうしたらこんな事になるのか、という頭部と胴体の大きさのアンバランスさ、
  無神経・不誠実としか言い様がありません(笑)。
  でも、
  実物のネズバートンの気味悪さや本編の映像の怖さを考えると、
  この豪快なデフォルメはオモチャとして大正解で、
  スペクトルマン怪獣の玩具化を神様に命じられたマスダヤの、
  真骨頂である気がします。
  全長約22センチ。


                                   

  モグネチュ−ドン
  第60回「萎えて男も意志を持て」でも紹介した、
  モグラとナマズの合成怪獣。
  大地震を起こして東京をはちゃめちゃに破壊する怪獣ですが、
  なんとも滑稽で愛らしい姿形をしています。

               

  頭をモグラにして
  お尻にナマズの頭を持ってきたデザインの発想は、
  地震に因んだネーミング共々、僕ら子供に大ウケでした。
  人形の方は、
  そんな自身の人気の高さに気をよくしているかのように、
  頭もお尻もゴキゲンな笑顔。
  明るく楽しい気持ちにさせてくれます。

  この怪獣が登場した第15話は、
  『宇宙猿人ゴリ』が裏番組の人気アニメ『巨人の星』を
  視聴率で抜いた記念すべき回。
  放送開始から丸3ヶ月が経過して番組の人気は絶好調、
  『仮面ライダー』も『帰ってきたウルトラマン』も始まって、
  いよいよ第2次怪獣ブームが盛り上がりだすエネルギッシュな空気を、
  この人形を見るといつも思い出します。
  全長約20センチ。


                                   

  バクラー
  ゴリがシロアリから作り出した怪獣。
  嫌悪の感情が瞬時に湧き出る “シロアリ” というモチーフに加え、
  家を食べるだけでなく、
  人間を襲ってその生き血を吸うという恐ろしい性質、
  笑っているような不気味な表情、しかも一つ目、
  更には、
  飛行時の、人間が生理的に受け付けない虫けら独特の体勢など、
  気色悪い事この上無い化け物でした。

  けれど、
  人形の方は、
  ゴキノザウルスと同じく、
  実物のその気色悪さが絶妙にデフォルメされた造形で、
  個人的には、可愛くて仕方ない1体です(笑)。

               

  また、
  シロアリの怪獣なので、腸内に原生動物が共生しており、
  この人形は、
  その原生動物の顔が腹部に描かれています。

  これを体内から引きずり出されたためにバクラーが息絶えた事を、
  おそらくマスダヤは知りもせず商品化したと思われますが、
  びっくりしたような原生動物のこの表情が、
  これからバクラーの身に起こる “死” をショッキングに連想させ、
  人形の佇まいに深みを与えてもいます。
  全長約23センチ。

  この怪獣が登場する回は、
  群がるシロアリの映像や、
  バクラーに血を吸われた若夫婦が操られて人を襲う場面など、
  身の毛もよだつシーンの連発で、
  当時震えながら見た記憶があります。
  『宇宙猿人ゴリ』が怖い番組である印象を当時の視聴者に植え付けた、
  代表的なエピソードだったのではないでしょうか。

  また、
  富士山の中に作られたバクラーの巣を、
  その中に産みつけられた無数の卵もろとも焼き払うため、
  スペクトルマンが火口にガスタンクを放り込む、
  という、印象的なシーンがあるのですが、
  冷静に考えると、
  スペクトルマンの身長がどう見ても富士山の倍の高さはあり、
  人間サイズから何十メートルの巨人どころか、
  何千メートルまでも巨大化出来るスペクトルマンの能力に、
  今更ながら驚かされます(笑)。


                   

  サンダーゲイ
  空を飛び、体から電気を発して船や灯台を襲う、クジラの怪獣。
  第69回「空飛ぶクジラ」で述べたとおり、
  個人的に思い入れの強い怪獣なのですが、
  実物のサンダーゲイをデフォルメしたのではなく、
  全然違う姿の、しかもクジラじゃなくて、魚の怪獣にしてしまっているのが残念。

  一峰大二先生作画の
  漫画版『スペクトルマン』に登場するサンダーゲイをモデルにしたと思われますが、
  ぱちもん人形じゃないのですから、
  ちゃんと、劇中に登場した実物のサンダーゲイを人形にしてほしかったものです。

           

  でも、
  お腹の表面と口の中を同じ色で塗装する、という、
  この粗雑で無神経極まる振る舞いは
  もはや圧巻で、
  実物だろうが漫画だろうが、
  これがサンダーゲイだとマスダヤが言うのならそうなのだろう、と
  思わず納得してしまうほどの威力を感じます(笑)。
  全長約23センチ。


                                   

  クルマニクラス
  車にひき逃げされた少年の怨念が生み出した怪獣で、
  ひき逃げ犯を探しまわって、街を荒らしまくります。
  また、
  精神エネルギーの産物ゆえ実体が無く、光よりも速い速度での移動が可能です。

  これも過去(第56回「怪獣の形」)に紹介したソフビですが、
  前述のサンダーゲイ人形とは打って変わって、
  めちゃくちゃ丁寧な仕事がなされた、マスダヤ製とは思えない(笑)怪獣人形になっています。
  造形も
  実物のクルマニクラスに忠実なものになっているし、
  くるみ塗装した上から体の模様をひとつひとつ塗ってある彩色などは、
  作り手の真心さえ感じます。

  マスダヤのスペクトルマン怪獣の人形の中でひとつだけ、
  浮いている、と言うか、別物っぽい、と言うか、
  そんな特別な印象を受けますが、
  番組内の公募によって
  視聴者の子供が考えたダンプニクラスという怪獣のデザインを元に
  造形されている怪獣である事、
  また、
  物語上でも、
  これまでの怪獣と違ってゴリが作ったものではない、という事が、
  その人形の特別感と偶然にも(だと思うけど・・・)一致していて、存在感に説得力があります。
  全長約22センチ。

           
実物のクルマニクラスは
こんなたすきはかけていませんが、
たすきに書かれている言葉は、
 
 “よい子を守る交通安全かいじゅう”。

ひき逃げ犯を恨む実物のクルマニクラスの魂を、
交通事故から子供たちを守りたい、
という願いにアレンジしています。
造形のデフォルメを控えた分、
怪獣の存在理由をデフォルメしたわけでもないでしょうが、
やっぱりこの人形には、
作り手の真心を感じます。大好き。
マスダヤさん、ありがとう。
 


                                   

  バロンザウルス
  クルマニクラスの移動能力の秘密を調べるべく、
  ゴリがクルマニクラスの捕獲を目的に送り込んだ怪獣。

  クルマニクラスの印象が強すぎて、
  その姿形、あるいは存在自体を憶えていない当時の視聴者も多いと思いますが、
  怪獣然としたフォルムでありながら決してシャープではない、
  という野暮ったさが、
  いかにもスペクトルマン怪獣(笑)といった味わいの、魅力的なキャラクターです。

               

  人形の方も、
  クルマニクラスと並べても引けをとらないようにか、
  過度なデフォルメは控えて、実物のバロンザウルスに忠実に造形されていて、見事です。

  ・・・が、
  野暮ったい怪獣、
  しかも、大人になったら忘れてしまっているような、インパクトの弱い怪獣に、
  シャープなデッサン力・造形力を最も発揮しているあたりが、
  なんともマスダヤ(笑)。
  全長約23センチ。


  ここまで紹介した怪獣が10種。
  全部で11種ですから、もう一匹、ソフビ人形として商品化された怪獣がいます。
  その名は、三つ首竜
  300年前に絶滅したと思われていた古代怪獣ですが、
  深い地底の中で眠っていました。
  ゴリが起こした落雷によって目覚め、岩石や毒ガスを吐きながら大暴れします。
  しぶとい強敵怪獣だし、
  爆発と火災による派手な特撮シーンの影響もあって、
  スペクトルマン怪獣の中ではナンバーワンの人気だったと記憶しています。

  ただ、人形の方は、
  ほかの怪獣に比べて生産数が少なかったのか、滅多に市場に出ません。
  一時は “まぼろし” とまで言われていた、稀少なソフビです。

  数年前、
  東京の某アンティークTOYショップに入荷したので、
  すぐに飛びついて買おうとしたのですが、
  僕の年収よりも高い金額の値札が付いていました(驚)。
  それでもやっぱり欲しいので、
  なんとか資金繰りを・・・、と
  数日間いろいろ考えたのですが、
  そうこうしているうちに、
  どこかのどなたかに即金で買われてしまいました(泣)。
  よって、
  写真付きで紹介が出来ません。ゴメンナサイ。

  それにしても、口惜しいです。
  三つ首竜が高いのか、僕の年収が低いのか・・・。
  まぁ、
  両方だろうけど、敗因はやっぱり後者でしょうかね(苦笑)。
  どちらにせよ、“高嶺の花” な人形であります。
  あぁ、欲しいなぁ・・・(溜息)。

        席、ずっと空けてあるンだけど・・・(笑)。


マスダヤのソフビ、いかがでしたでしょうか?
最後に、もう1枚、
マスダヤの造形センス(ついでに彩色センスも)がよくわかる写真を紹介します。

  『帰ってきたウルトラマン』に登場した、竜巻怪獣シーゴラスです。
  向かって左端が
  マスダヤ製(全長約14センチ)で、
  ほかの2体はブルマァク製(全長約20センチと9センチ)。
  マスダヤは、
  スペクトルマン怪獣のほかに、帰りマン怪獣も数種手がけていましたが、
  同じ怪獣でブルマァクと比べれば、一目瞭然ですね。
  
    「シーゴラス、って
      カッコいい怪獣なンだから、
           もっとちゃんと作ってよォ〜」

  って嘆きたくなってしまいます(笑)。
  ウルトラ怪獣では、
  マスダヤの “味” は全くと言っていいほど活きません。
  やっぱ、
  マスダヤにはスペクトルマン怪獣が似合います。


ところで、
『スペクトルマン』を振り返った前回と今回、
発端は、
宇宙ゴミが地球の周りを漂っている、というニュースでした。

宇宙ゴミ、と言っても、
それは、
役割を終えた人工衛星の残骸や破片ですから、
地球人が出した地球のゴミです。

 人類の環境破壊もついに地球外へ達したか、

と、
宇宙猿人ゴリに嘲り笑われているような気がして番組の事を思い出したわけですが、
こうやって
ソフビコレクションを見つめ直しながら番組の記憶を辿っていたら、
ゴリの嘲笑だけでなく、

 いったい何のために俺は地球人を護ったンだ・・・、

という、
スペクトルマンの嘆きも聞こえてくるような気がしてきました。

現在、
宇宙ゴミを除去するための技術開発が世界各国で進められているそうですが、
日本は、
最先端の技術力を保有する国ですから、
問題解決に向けて、
是非とも世界をリードしていってほしいと思います。
ゴリの魔の手から命がけで人類を護ってくれたスペクトルマンに応えるためにも・・・。

ただ、
個人的には、
地球の外よりも中、
地球の周りではなく人間の周りを漂う花粉を、とりあえず除去してほしい今日この頃です(苦笑)。

      目は痒いし、
鼻水やくしゃみは止まらんし、
喉もイガイガして頭痛はしてくるし、
たまらん!

ゴリがまだ生きていたら、
絶対、花粉の怪獣を送り込んでくるだろうなぁ・・・(笑)。


                  前回へ       目次へ       次回へ