第217回 「定位置からの報告」 2022.2
今年いただいた年賀状の中に、 ネットのエッセイ、毎月、拝見しています。 と書いてあるものがあり、 差出人を見ると、 僕のソフビ蒐集以外の趣味のひとつである草野球で、 数年前に知り合った人でした。 このエッセイの存在は いつからか知っていてくれているようではあったのですが、 草野球仲間、というだけで、 とくにマニア・コレクターといった類の人でもないし、 15歳くらい年上(つまり70代半ば)のお爺さんで、世代も全然違うので、 今まで特撮ヒーローやオモチャの話など全くした事が無く、 え? 読んでるの? 毎月? ・・・なんで? と不思議に思っていたところ、 先日、 街で偶然その人とばったり会いましたので、 改めて新年の挨拶をしがてら、理由を聞いてみたのです。 そしたら、 「生存確認」 という答えが返ってきました。 なんでも、 気にしているのは、 元気で暮しているかどうか、 だけで、 ソフビの話の部分は どーでもいいので軽く読み流しているとか。 ・・・なんか、 嬉しいのか嬉しくないのか、よく解りませんでしたが(笑)、 毎月、僕の事を思い出して 気にかけてくれるわけですから、 ありがたい事に変わりはありませんので、 そこは素直に、「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えた次第です。 それにしても、 毎月の更新は、僕が元気で生きてるかどうかの合図にもなるのですね。 そんな事、今まであまり意識していませんでしたが、 そうであるならば、 今月も御報告させていただきましょう。 僕、生きてます!
そして、ついでに、 |
只今、休憩中・・・、といったところでしょうか。 なんか、たまたまスジエビがそっぽを向いちゃってますけど、 結構仲良しなンですよ、彼ら。 モツゴが食べ残したエサをスジエビがきれいに浚えたり、 こうして、同じタイミングで一緒に休憩したり、 水槽の中を、汚さず平和に過ごしてくれているので、観てると心が安らぎます。 この、 スジエビは流木の上、モツゴは流木の陰、 というのが、 言うなれば “定位置” ですかね、彼らの。 動いていない時は、だいたい、ここにいます。 |
では、 アカハライモリの美幸ちゃんの “定位置” は・・・、というと、 それは、流木の下。 シャイなのか、隠れるのが好きで、いつもこの隙間に潜り込んでいます。 でも、 完全に隠れてしまわず、 いつも頭だけチョコンと覗かせて、 飼い主の僕に、それこそ生存確認させてくれる、良い子です(笑)。 |
可愛かったので、この写真も載せておきましょう。 写真を撮ろうと水槽に近づいた僕に気づき、 エサをもらえると思って “定位置” からニョロ~ッと出てきたところです。 ゴメンね。まだエサの時間じゃないンだよ。 |
コレクションルームであります。 だいたい、 ビールかレモンサワーかハイボールを飲みながら、 中央のロッキングチェアに腰かけて、 周りのコレクションたちをボーッと眺めては、 思い出に浸ったり、夢見たり、妄想したり(笑)、していますが、 お酒に弱いゆえ 飲むとすぐに眠たくなるので、そのまま眠ってしまう事もしばしば。 あぁ、なんて自由で穏やかな暮らし(笑)。 |
たとえば、グドンとツインテール。 以前、第5回「君にも見えるウルトラの星」の中でも述べましたが、 常にこの状態で飾ってあります。 理由は、 まぁ、お解りでしょうけど、 『帰ってきたウルトラマン』の同じ回に出てきた怪獣同士で、 グドンはツインテールを食べる、という設定があるから・・・、 ですね。 つまり、互いに隣り合った場所が “定位置”、というわけです。 |
しかも、 ごちそうを前に めっちゃ嬉しそうな顔をしているように見えるグドンの表情と、 食べられる危険が目前に迫った恐怖で ひきつった顔をしているように見えるツインテールの表情の、 その対比が絶妙で、 これ以外の飾り方はありえない、 と思えてしまうほど、しっくり来るのです。 |
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グドン ブルマァク製 スタンダードサイズ、全長約23センチ。 昭和46年発売。 この2体は、 成形色の赤に微妙な違いがあります。 向かって左側の人形の方が、 朱色に近いですかね(色ヤケじゃないよ(笑))。 |
ツインテール ブルマァク製 スタンダードサイズ、全長約22センチ。 昭和46年発売。 この2体は、 塗装色が異なります。 『帰ってきたウルトラマン』放映時、僕は小学1年生でしたが、 ツインテールには衝撃を受けましたね。 なんて面白い姿をしているんだろう・・・、 って惹きつけられながら、 児童雑誌か何かに載ってた写真を、毎日見つめていた記憶があります。 |
飛行形態のガメラは、 このように、 コレクションケースのいちばん上の棚の最上部に 大空を飛んでいるイメージで飾ってますし、 その下の大きいガメラも、 前傾姿勢の造形を活かしたポーズでわざとこの高い棚に配置し、 踏みつぶされそうな巨大感と、心で通じ合って会話しているような安心感の、 その両方を味わえるようにしてあります。 つまり、 この棚を見上げれば、ガメラという怪獣の魅力が満喫出来る・・・、 ってわけですね。 ・・・夢があるでしょ?(笑) |
ガメラ バンダイ製、全長約11センチ。 “ガメラカーニバル” というミニソフビセットの中の1体。 平成7年発売。 |
ついでに、一緒に飛んでるこいつも紹介。 ギャオス バンダイ製、全長約11センチ、全幅約18センチ。 ガメラと同じく、“ガメラカーニバル” というミニソフビセットの中の1体です。 |
僕は 両タイプをコレクションケースに飾りたかったので、同じセットを2つ購入。 なので、ガメラ以外の7点がダブってしまいました。 子供の頃から考えたら、ありえないくらい贅沢な話ですね(笑)。 |
・・・あ、なぜか一緒にタロウも飛んでましたね(笑)。 ウルトラマンタロウ ブルマァク製、全長約13センチ。 “デラックス ザット秘密司令部” というプラトイに 付属・同梱されていたミニソフビです。 昭和48年発売。 |
昭和の時代独特の “緩い” 造形ゆえ、 近くで見ると、 飛んでる、というより、 赤ちゃんがハイハイしているように見えます(笑)。 これはこれで可愛いから好きですけど、 やっぱ、ヒーローにはカッコよくいてほしいので、 見上げる位置に飾って、 大空や宇宙を颯爽と飛行中、って状態にしてあるのです。 |
飛んでるガメラの下にいた大きなガメラは、こちら。 バンダイ製、全長約29センチ。 “ビッグスケールガメラ” という商品名でした。 平成7年発売。 |
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それで育った、という愛着と懐かしさ、 そしてまた芸術的観点から、 マルサンやブルマァクのデフォルメソフビに 惹かれる僕ですが、 こういう迫力満点のソフビを見ると、 リアル造形の平成ソフビは、 やっぱカッコいいなぁ・・・、 って思っちゃうンですよね。 シビれます。 |
・・・そうなンです、 僕、タッコングが、この世でいちばん好きな怪獣なンですよね。 なんたって、デザイン・造形が素晴らしいですから。 だって、 タコの怪獣なのにタコの形してないンですよ。 凄い事です、これは。 その大傑作な姿形をいつも見ていたいので、 このように先頭に並べているのです。 それに、タッコングは、 “前ならえ” が出来ない体のつくりをしていますので、 先頭が “定位置” で、ちょうど良いでしょ?(笑) |
このソフビ、 実物の姿を忠実に再現したリアル造形でありながら、 昭和ソフビのデフォルメ造形のような味わいも、絶妙に感じられます。 それだけ、タッコング自体の、そもそもの造形・デザインが、 おぞましさの中にも愛嬌や哀しみが多分に感じられる、優れた芸術作品であった、 という事でしょう。 |
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怖いけど、なぜか可愛くて、 強そうだけど、なんか哀しくて、 カッコいいけど、どこか鈍くさくて・・・、 嫌悪感を覚えぬ異形のもの、これぞ、怪獣。 日本が世界に誇る、夢の生き物、であります。 |
向かって左から、 平成元年発売、 平成5年(ウルフェス限定)発売、 ともに全長約11センチ。 |
この2体は、 ともに平成7年の発売で全長約11センチ。 カラーリングに微妙な違いがあります。 |
今日のお酒は、 アイルランドのビールで “ギネスドラフト” という黒スタウト。 バイト先の同僚からもらって初めて飲んだのですが、めっちゃ美味。 ごちそうさまでした。 |