第222回 「真夏の象徴」 2022.7
・・・ってか、 ただ “暑い” というだけでバキシムのTシャツがもらえるなんて、僕はなんて幸せ者なのでしょう(笑)。 いやぁ、嬉しい・・・。 僕よりも1歳年上の方なのですが ただソフビコレクター同士というだけでなく、 誕生日が同じ(・・・って事は、そう、“ウルトラマンの日” に生まれた者同士なのです)だったり、 仮面ライダーは “2号派” だったり、 運命を感じるような(笑)共通点が多くて、4年前の初対面以来、親しくさせていただいているのですが、 ホント、何かと僕に気をかけて下さっていて、 応援・励ましのメールやこうしたプレゼントをよく送って下さるンですよね。 映画『ノイズ』も、 職場の部下の方を引き連れて劇場まで観に行って下さったとか。 ありがたい話です、本当に。 ・・・それにしてもカッコいいなぁ、このTシャツ。 実は、僕、 バキシムが大好きなンですよねぇ。 ウルトラ怪獣の中でもトップ10に入るくらい・・・。 御存知のとおり、 バキシムは『ウルトラマンA』の第3話に登場した超獣ですが、 そのデザイン・造形が、 いかにも異次元(ヤプールの棲む世界)の生き物、 いかにも超獣(怪獣を超えている・怪獣よりも強敵)、 って感じがして、 圧倒的にカッコいいですからね。 “バルタン星人でもレッドキングでもなくバキシム” というチョイスに、 さすが、解ってらっしゃる! と唸ってしまい、喜びもひとしおでした。 だって、 たまたま偶然選んだのだとしても、 なんかテレパシーで通じ合ってるみたいで感動しちゃうし、 僕が忘れてしまってるだけで、“バキシム好き” って事を話した事があって、それを憶えて下さっていて・・・、って事でしたら、 もう、泣けちゃうくらい感激だし・・・。 とにかく、シビれる暑中・・・いや、陣中見舞いだったのです。 なので、 今回のソフビコレクションの紹介は、この嬉しさの勢いで、バキシムにさせていただきます。
第37回「色違いの妙味」や 第169「忘れじのソフビ通販」でも紹介してますが、 僕、このキングザウルスシリーズのバキシムが大好きなンですよねぇ・・・。
最後に、平成ソフビを・・・。 向かって左から、 平成2年、平成4年、平成6年、の発売。 昭和のデフォルメ造形からリアルな造形へと進化し、 実物の着ぐるみを忠実に再現した、カッコいい平成ソフビ・・・のはずですが、 何なンですかね? これ・・・。 口は塞がっちゃってるし、塗装は明らかに手抜きだし、 昔のブルマァクやポピーのソフビの方が断然カッコよく感じてしまいます。 なんで、こんな “やっつけ仕事” をするのか・・・? それも、よりによってウルトラ怪獣の中でトップクラスのカッコ良さを誇るバキシムの人形で・・・、 って、ずっと不満でした。 確か、もう1度か2度、カラーリングの微妙なリニューアルがされていたと思いますが、 塗装のやる気の無さに一切の改善が見られませんでしたので、 バカらしく感じてしまい、もう、買いませんでした。 ・・・え? コレクターなら買っておかなきゃダメ? いやいや、バキシム好きな僕としては、せめてもの抵抗だったのです(笑)。 めっちゃカッコいい怪獣なのですから、 ちゃんとマジメに作れば、素晴らしいソフビ人形になるはずなのに、 どういう事情なのか、こんな愛の無い仕上がりで、 ホント、ずっと腹立ってたので・・・。 こんなにもバキシムを愛し、 ソフビ蒐集に人生を賭けている僕ですら、買わないレベルだぞ! って、怒りのアピールをしていたのです(誰に?(笑))。 ・・・で、 平成元年に生まれた赤ちゃんが大人になる頃、 ようやく、まともな平成ソフビのバキシムが世に放たれました。
・・・いやぁ、やっぱ、バキシムはカッコいいですねぇ~。 こんなにも魅力的なキャラクターが、 毎週放送される番組のたった1週にだけ登場し、 主役のウルトラマンに倒されて潔く散っていったなんて、 ウルトラシリーズ、って、なんて贅沢なテレビ番組だったのでしょう・・・、 って、 つくづく思います。 ただ、御存知のように、 そんな贅沢が続いたのも、この『ウルトラマンA』の最初の頃までで、 番組後半から次番組『ウルトラマンタロウ』には、 贅沢を感じるような魅力的な敵怪獣は、ほとんど出てこなくなります。 怪獣ブームが陰りを見せ、特撮作品が、淋しい “冬の時代” を迎えるわけですね。 そう考えると、 この猛暑も、2~3ヶ月後には治まり、まさしく “冬” を迎えるわけですから、 バキシムは、怪獣ブームの中における “真夏の象徴” だった・・・、と言えるのではないでしょうか。 ・・・そうなンです。 夏というのは、隆盛の極み。 生命力に満ちた、最も明るく元気な季節なのです。 バキシムが改めて気づかせてくれました。 なので、 暑さを嘆いたり、暑さに萎れたり・・・、なんてのは、 この世に生を享けた事に対する感謝に、言わば逆行した行為。 そんな罰当たりな事、してはいけません。 なので、僕は、 生きてる幸せを噛みしめて、今年も暑い夏を過ごしていこうと思います。 かち割り氷に見立てた、 Tシャツのバキシムが割り砕いた空の欠片を、 ソフビのバキシムがイメージさせてくれるオレンジジュースの中に投げ入れて、 それをゴクゴク心の喉に流し込み、猛暑をあえて楽しみながら・・・。 前回へ 目次へ 次回へ |