第264回「そういえば」 2026.1
| ・・・そういえば、 昨年10月の第261回「だからネパール」において、 長くなってしまい全体的にまとまりがなくなると思い、書かなかった事があります。 それは、 ネパール料理のレストランにおけるイベントが終わり、僕が帰路に就いた際の出来事。 途中、コンビニに寄ったンですけど、 レジにいた店員の男の子が、これまたネパール人(顔の感じと名札の名前で判ります)だったンですよねぇ。 どんだけ、おンねん、ネパール人! ってツッコミを入れたくなったのですが(笑)、 おそらく、僕のアルバイト先の外国人の子たちと一緒で、 学校の勉強とアルバイトの毎日ゆえ睡眠時間が足りていないのでしょう、 なんがかとても眠そうにしてましたので、 頑張れよ! と心の中でエールを送りながら、 のど飴と缶コーヒーを買うついでに、 レジ横のホットスナックのコーナーにあるチーズコロッケを注文したンです。 そしたら、 チーズコロッケでなくメンチカツを取って袋に入れようとしたので、 「違う、違う。 こっち、チーズコロッケ」 って、ケースの中のチーズコロッケを指さすと、 その店員の子は、 あ、しまった・・・、 みたいな表情を見せたものの、 メンチカツをケースの棚に戻して改めてチーズコロッケを取り出す際に、 なんと、あくびをしたンですよねぇ。それも、けっこうな大あくび。 なので、 ここは、ちょっと驚かせて眠気を覚まさせてあげよう、 と思い、 「ラムロサンガ カーム ガルヌホス!(ちゃんと仕事しろ!)」 って、 アルバイト先のネパール人の子たちから教わった言葉を言ってやったンです。 もちろん、本気のクレームではないので、笑いながら。 すると、 その子は、一瞬、驚いた表情を見せた後、 僕の笑顔を見てこちらの意図を察し、 同じように笑顔で、 「マフ ガルヌホス(ごめんなさい)」 って返してくれました。 ・・・と、 そこまでは、実に穏やかで心温まる(と思う)雰囲気だったのですが、 僕とその子のやりとりが聞こえたのでしょう、店の奥で商品の陳列をしていた店長がすっ飛んできて、 急に、何やら緊張感のある空気になってしまいました。 そしたら、なんと、その店長もネパール人だったので、 お前もかいっ! 日本人はおらんのか、この店には・・・ってか、この国には! って、 再びツッコミを入れたくなったのですが(笑)、 その店長は、 僕らの笑顔のやりとりを “声(音)” でしか認識していないため、 客の僕が本気で店員に注意をしたと思い込み、心配そうな表情で、僕に話しかけてきたのです。 ただ、 僕と店員の子のやり取りがネパール語だったので、 その店長も、フツーに、当たり前のように、ネパール語で話しかけてきたンですよね。 おそらく どうかなさいましたか? 私が代わりに承りますけども・・・、 みたいな事を言ってたンだろうとは思うのですが、 確証が無いから分からないし、 もちろん僕がネパール語で答えるなんて事も出来ないので、 どう答えたらいいか分からず、焦ってしまいました。 なんで、日本人が日本でこんな思いをせなあかんねん! なんて思いつつ(苦笑)、 そのまま何も答えられずにいると、 その店長は更に心配そうな表情になって、続けてまたネパール語でいろいろ話しかけてきたのです。 ますますどう答えたらいいか分からず、ますます焦ってしまい、 とにかく、 本気で怒っているわけではない、何も問題は無い、 って事だけは伝えなきゃ、と思い、 笑顔だけは絶やさぬよう必死で取り繕いながら、 「ノー プロブレム、ノー プロブレム。ドント ウォーリー」 と言って、逃げるように店を出た次第。 なんで、最後は英語やねん! って、我ながら苦笑してしまいましたが、 よく考えたら、 ネパール人の店長だって、日本のコンビニで働いている以上、日本語は通じるはずだから、 フツーに日本語で説明すればよかったのに、焦ってたから咄嗟に判断出来ず、なぜか英語になっちゃったンですよね。 それも、 英語だって話せない僕ゆえ、発音が “カタカナ” の、拙いものでしたので、 通じたかどうかもよく分からない、という・・・(恥)。 ネパール人のコンビニ店員に ネパール語で話しかけてコミュニケーションをとろう、だなんて、 どだい無理な話。 イベントでネパールの歌を歌って大勢のネパール人にウケた直後でしたので、完全に調子こいてました。 あのレジの子、店長に怒られてるかなぁ・・・、 だとしたら、悪い事しちゃったなぁ・・・、 と、 自身の思い上がりを反省しながらガードレールに腰かけ食べるチーズコロッケの味は、なんともほろ苦いものでした・・・、 って話です。 ・・・え? どーでもいい? そうですよね。そうです、そうです、そうなンです。 冒頭、“そういえば” という言葉で始めさせていただきましたが、 “そういえば” で始まる話なんて、 こういう、 書き手(話し手)にとっても読み手(聞き手)にとっても、 たいして意味や価値の無い、他愛もない話、 のはずなンです。 それがですねぇ・・・(ここからが本題)、 昨日なンですけど、長男とメールでやりとりをしていた際に、 その長男が、 >そういえば、去年、2人めが生まれたよ。 と言ってきたンですよねぇ・・・。 そういえば、て・・・、 って、脱力してしまいました。 僕は長男のお嫁さんが妊娠していた事も聞かされていなかったので、 そのメールの一文を目にし、 唖然とした、というか、絶句した、というか、 一瞬、何を言っているのかさえも解からず、困惑してしまったンですよね。 ちょっと考えて、 それが長男にとっての第二子誕生の報告である事を理解し、 お前さぁ・・・、 と、溜め息交じりに返信した次第。 だってぇ・・・、 “そういえば” の後に来る話じゃないでしょ、そんなの・・・。 “そういえば” の後に来るのは、 先ほども述べましたとおり、冒頭のコンビニでのエピソードのような、 どーでもいい事だけど、 まぁ、思い出したから、話のついでに聞いてもらおう・・・、 みたいなノリのもの。 新しい命(それも自分の子供)の誕生の報告を自分の父親にする際に、“そういえば” で始めます?普通・・・。 信じられません。 しかも、その2人の子供が生まれたの、何ヶ月も前の話なのですから・・・(呆)。 孫が3人になった事、僕、ずっと知らずにいたンです。 昨日、長男とメールしてなかったら、いまだに知らずにいたでしょう。 ホント、繰り返しますが、信じられません。 そりゃあ、 僕と妻が離婚したせいで、幼い頃から僕とは離れ離れで暮してきたから、 日常生活の中で息子たちが僕の事を思い出す事は、ほとんど無いかもしれないし、 そもそも、僕を父親だとは思っていないかもしれません。 僕だって、父親らしい事を何もしてやった事が無いのですから、 今更 “父親面” する気など、毛頭ありません。 けどさぁ・・・、って話です(哀)。 ・・・なんか、 僕の事を見下して軽視・・・いや、無視して、 あなたの事など眼中にありません、 と嫌味ったらしい対応をする元妻そっくりだなぁ・・・、 って思ってしまいました(苦笑)。 そんな母親のDNAを強く受け継いでいるのか、 あるいは、 そういう “反日教育” ならぬ “反父教育” を受けて育ったのか、 はたまた、 面と向かっては言わないけれども、やっぱ、長男自身が実は僕の事を憎んでいるがゆえの薄情な扱いのか、 それは分かりませんけども、 何にせよ、 “そういえば” は無いよなぁ、“そういえば” は・・・。 ・・・あれ? なんか、愚痴っちゃってます? ハハハ、それはスミマセン。そうじゃないンです。 まぁ、確かに、 “そういえば” は無いだろう・・・、 って、ちょっぴり不満はありましたが、この話を書いてる目的は、 1人めの孫の誕生も、2人めの孫の誕生も、 この『ソフビ大好き!』において、 その都度、報告してきたものですから(第234回「ストォンガガァー』及び第244回「新しい光」参照)、 3人めの報告も、ちゃんとこの場でしておこう・・・、 というものなのです(ちなみに、女の子でした)。 息子からは父親だとは思われていないのに、 いっちょ前に3人も孫がいる御祖父ちゃんにしてもらえたのですから、身に余る幸せ。 感謝の気持ちでいっぱいです。 ありがとう、長男のお嫁さんと長男。 家族4人の健康と幸福を、これからもずっと祈ってます。 ・・・あ、そういえば(笑)、 長男から3人めの孫の存在を知らされていなかったがゆえ、 今年の初詣の際、 長男家の家族3人と次男家の家族3人の健康と幸福しか、神様にお願いしてこなかったから、 スミマセン、神様。 長男家の家族は3人でなく4人でした。 健康と幸福、1人追加でお願いします。 って訂正して、 再度、感謝と祈りを捧げなきゃ・・・。 ・・・ってか、 初詣、ってやり直ししても御利益あるンですかね? まぁ、やり直した時点で “初詣” ではないンですけど・・・(苦笑)。 けど、可愛い孫(まだ会った事無いけど(苦笑))のためだ。なんとしてでも神様に御加護をお願いしてこよ、っと。 ・・・あ、そういえば(笑)、 “孫” で思い出したけど、 “孫の手(背中かき)” の “孫” って、 本当は “孫” ではなくて、中国の神話に登場する、爪の長い仙女の “麻姑(まこ)” から来てるンですよね。 “麻姑の手” が音韻変化して、“孫の手” として定着していったそうなのです。 ![]() 背中のかゆい箇所を、 孫にかいてもらうのも嬉しくて気持ちが良いものかもしれませんが、 美しい女性の長い爪でかいてもらった方が、もっと嬉しくて気持ち良いでしょうから(笑)、 その名前の本当の由来に納得、といったところでしょうか・・・。 けど、やっぱ、 自分で “孫の手(背中かき)” を使って気の済むまでボリボリかくのが、いちばん気持ちがいいンですけどね。 ![]() |
・・・というわけで、 今回、取り上げるのは、こちら。 麻姑のごとく長い爪を持つショッカー怪人、アリガバリです。 |
![]() |
アリガバリは、 『仮面ライダー』(昭和46~48年放映)の 第31話「死斗!ありくい魔人アリガバリ」に登場した、アリクイの怪人。 |
|
![]() |
左手の長い鉤爪は、 なんと、ライダーキックをも跳ね返す、 頑丈にして脅威となる武器。 あんなので背中をかかれたら、 痒みが止まるどころか、心臓が止まってしまいます(笑)。 |
|
![]() |
![]() |
ただ、番組放映時に発売されていたアリガバリ人形は、 写真のように、 そのアリガバリ最大の特徴である大きな左手の長い鉤爪が、かなり控えめな表現で造形されているンですよねぇ・・・。 販売仕様であるタグ付きのビニール袋の中に、商品がしっかりと納まるよう調整されたか、 この人形を手にして遊ぶ幼児がケガしないよう配慮されたか、 まぁ、そういった事情ゆえのものでしょうけれども、 これでは、アリガバリがアリガバリでなくなってしまう可能性もあり、ちょっと残念なのです。 |
![]() |
バンダイ製 スタンダードサイズ、全長約24センチ。 |
|
![]() |
![]() |
|
| 一応、ノーマルな右手とは大きさも形も変えて、 左手を際立たせようとする作り手の意識は感じられますが、 実物のアリガバリの左手のインパクトの強さと比べると、まだまだ不充分ですし、 赤い目をした不気味で鋭い顔の表情、 頭部に無数につけられた荒々しい傷の線、 そして、肩から胸にかけての野性的な毛並み・・・、と アリガバリの “怖い獣” 感が滋味豊かに表現されている人形だけに、 余計に残念なンですよね、この、なんか、ただ軍手か何かをはめただけのような左手の造形が・・・。 |
| それに、 そもそも、鉤爪になってないですし・・・。 これは不満です。 アリガバリの見目形のもう一つの特徴である長い口は、 このように、 頭部パーツを全体のバランスなど一切気にせず大きくして、 口先がベルトのバックルに 届くか届かないかの位置にあるかのように表現し、 実物の魅力を盛りに盛って伝えているのですから、 そんな昭和ソフビの真骨頂であるデフォルメ表現を、 左手の長い鉤爪でも存分に発揮してもらいたかったものです。 |
![]() |
![]() |
そして、 ミニサイズ人形の方は、もっと残念。 スタンダードサイズの左手の爪よりは鉤爪を意識した形状に、一応なってはいますが、 左手自体の大きさが、ノーマルな右手より小っちゃくなっちゃってるンですよねぇ。 頑丈にして脅威となる武器のはずが、 ここが弱点。この左手の貧相な細い爪を攻撃されたらアリガバリはひとたまりも無い・・・、 みたいになっちゃってるンです(笑)。 |
![]() |
![]() |
ポピー製 ミニサイズ、全長約12センチ。 |
| そんな、なんだか遠慮がちな造形の鉤爪のせいで、 スタンダードサイズのアリガバリ人形もミニサイズのアリガバリ人形も、 とても、ショッカーの歴史にその名を遺す強敵怪人には見えません。 もう一度言いますが、 アリガバリの大きな左手の長い鉤爪は、 ライダーキックを跳ね返した爪、 なンですから。 それを喰らったらほとんどの怪人は絶命してしまう、あのライダーキックを、 アリガバリは、その片手の爪だけで撥ね退けたンですからね。 そんな、最も強調すべき箇所を、控えめに表現されては困ります。 |
![]() |
・・・ただ、 そういう、残念さが、 実は “醍醐味”、つまり “堪らない魅力” だったりするところが、昭和ソフビの面白いところ、なンですよね。 実物の怪獣・怪人をそっくりそのまま完璧にコピーしていないところに、 夢が隠れている、というか、楽しみが潜んでいる、というか、ちょうど俳句の行間のような “想像する余地” が、残されてるンです。 世代が違う人は、あまりピンと来ないかもしれませんが、 僕らは、そういう “造形の妙” みたいなものを、幼心に、理屈でなく感覚で理解していたンだと思うンですよね。 実際にそれらの人形で自由に夢や空想を膨らませて遊び、胸をときめかせてましたから・・・。 なので、 その、気の利かない、なんだかちょっと鈍臭い感じ、 “孫の手” の話に掛けて言うと、 “痒いところに手が届かないもどかしさ” ・・・みたいなものがある懐かしの造形が、 大人になった今、とても麗しく、そして、切ないまでに愛おしいのであります。 ・・・ソフビの奥深いところです。 ![]() |
ところで、 必殺技のライダーキックをアリガバリに片手でいとも簡単に跳ね返されたライダーは、その後どうしたか、というと、 それが、 以前、第94回「How old are you?」の中でも述べたとおり、このアリガバリの回の主題。 アリガバリにあっさり敗れ去ったライダーを目撃してしまった五郎少年は、 ライダーは無敵のヒーロー、と信じて憧れていただけにショックで寝込んでしまいます。 そして、ライダー(一文字隼人)自身も、自分の無力さに心が挫けかけるのですが、 立花のおやっさんに叱責され、 五郎のためにもアリガバリを倒さねば・・・、 と奮起。 相棒・滝和也の協力のもと、 特訓の末、体に捻りを加えて蹴り込む事で破壊力を倍増させる新しい必殺技・ライダー卍キックをあみ出し、 再度闘いを挑んで、そのライダー卍キックでアリガバリを倒します。 そして、五郎少年が入院している病室の窓に姿を見せ、 「私は勝った。アリガバリを倒した。 五郎くんも早く病気を治すんだ」 と五郎少年を励まし、優しく手を振って去っていく・・・、 ってお話なンですよね。 巨大な宇宙人のヒーロー・ウルトラマンでは味わえない、 体も心も人間大であるヒーロー・仮面ライダーならではの魅力を、熱く美しく伝えてくれる名エピソード。 僕は、子供の頃からこのエピソードが大好きなンです。 |
![]() |
あぁ、仮面ライダーよ、永遠なれ! |
・・・あ、そういえば(笑)、 今から6年前・・・いや、年が明けたから7年前か、 高市早苗総理大臣(当時は総務大臣)が、 仮面ライダーゼロワンと仮面ライダージオウの表敬訪問を受けた際(なんか防災に関するPR活動のようなものだったと思います)、 それぞれの変身ポーズを決めるその令和のライダーと平成のライダーに応える形で、 「では、“昭和の変身” をやらせていただきます」 と告げ、「へ~んしん!」と昭和のライダーの変身ポーズをして見せたのですが、 なんと、 まず、2号ライダーの変身ポーズを披露し、続けて1号ライダーの変身ポーズを披露したンですよね。 変身ポーズ自体の完成度は低いものでしたが(笑)、 ちゃんと、1号と2号の両方の、変身ポーズをしてくれた事が嬉しかったし、 しかも、 2号から先にやる、 というところに、感動してしまいました。 視聴率が一桁だった『仮面ライダー』を国民的人気番組にまで押し上げ、 “変身ブーム” を巻き起こしたのは、 本郷猛が変身する1号ライダーではなく、一文字隼人が変身する2号ライダーですし、 変身ポーズ自体の誕生も、1号ライダーよりも2号ライダーのものが先ですので、 “変身” のパイオニアは、2号ライダーなンですよね。 その2号ライダーの功績に敬意を表して、 僕は、第152回「義理と人情の風車が回る」の中で述べたように、 1号と2号の2人で “初代ライダー”、 という揺るぎない主張・こだわりを持っていますので、 安易に1号ライダーだけを “初代ライダー” として扱ったり、 1号ライダーを神格化するあまり2号ライダーをないがしろにしたりする風潮が、とても気に入らないのです。 なので、 そこをなにげなくサラッと当たり前のようにクリアしてくれた(しかも女性が)事に、胸を打たれたンですよね。 |
![]() |
それでは、 もう一度、改めまして・・・、 あぁ、仮面ライダーよ、永遠なれ! |
・・・あ、そういえば(笑)、 新年あけましておめでとうございます。今年も、どうぞよろしくお願いします。 |