真水稔生の『ソフビ大好き!』


第234回 「ストォンガガー」 2023.7

先月下旬、
長男に娘が生まれまして(喜)、
ついに “お爺ちゃん” になった今日この頃です。



・・・で、
誕生日の翌日、その孫の写メを数枚、長男から送ってもらったのですが、
その中の1枚に、
見た事の無いオッサンが孫を抱っこしている写真があり、

 「誰だてェ、僕の初孫を僕より先に抱いてる、この無神経で厚かましいヤツは・・・」

と思ったら、長男でした(笑)。

長男は、
今年31歳になるので、
オッサンなのは、まぁ、当たり前なのですが、
コロナの影響もあって、ここ4年くらい会っていなかったし、
僕の頭の中では、
大人になってからの息子たちよりも
一緒に暮らしていた頃の幼い息子たちのイメージの方がどうしても強いので、
その二つが相まって、

 あいつ、こんなオッサンになってるンだ・・・、

と改めて驚いてしまったのです。

いつも言いますが、
僕は、脳内の時間が若い頃(へたすりゃ少年時代)で止まっているため、
自分の実年齢を
全くと言っていいほど意識しないで毎日を過ごしています。
なので、

 孫が生まれて “お爺ちゃん” になった、

なんて事態は、

 自分が還暦間近のジジィである、

という事を改めて認識する、究極の機会なはずなのですが、
この度はそれよりも、

 自分の息子がオッサンである、

という事実の方が、
より強く、より衝撃的に、僕に現実を思い知らさせてくれた次第です(苦笑)。


それにしても、オッサンだなぁ、長男・・・。

まぁ、僕のせいで、
母子家庭になったり、
赤の他人(別れた妻の再婚相手と、その御子息・御息女)と家族として暮さなければならなくなったり、
引っ越し(転校)を何度もしたり・・・、と
子供の頃から
色々と苦労しただろうから、
若々しさが見た目上薄れていってしまったのかもしれません。
弟もいるし、
自分がしっかりしなきゃ、って気を張って生きてきただろうしなぁ・・・。

もちろん、
長男の事も次男の事も、
ちゃんと愛して育てて、一人前の大人にしてくれたのですから、
別れた妻の再婚相手の方は立派な人物なのでしょうけど、
やはり、
多感な時期に、
自分の母親が見知らぬ男を連れてきて、

 「今日から、この人があなたのお父さんよ」

と言われたら、複雑な葛藤が心の中で渦巻いただろうし、
そこから始まった新しい家族の生活は、
何かと気も遣っただろうし、本来ならしなくていい我慢もしただろうし、
僕が子供の頃の、
両親と僕の3人だけの家族だった甘え放題の暮らしとは違い、
決して、
自由で呑気に過ごせる日々ではなかったと思うンですよね。
それを考えると、
写真の中のオッサンとなった長男の姿に、
父親になった息子の成長を、只、嬉しく感じるだけでない、
なんとも言葉にはしがたい感情が、ぐぅーっと、込みあげてきてしまいました。

どうか、
僕が長男に与えてしまったようなしんどい思いを
この孫が味わう事の無いよう、
長男には幸せな家庭を守り続けてほしい、と切に願うばかりであります。


ところで、
長男でいつも思い出すのは、

 ストォンガガー、

なンですよね。

それは何か、というと、
仮面ライダーストロンガーの事。
あれは、
長男がまだ1歳の頃、
“ストロンガー” って言えなくて、「ストォンガガー」って呼んでたンです。

最初は、“ブイスリー(仮面ライダーV3)” も言えなくて、

 「ブイ、ブイ」

って呼んでたンですけど、
それは、すぐに、

 「ブイスリー」

って、
ちゃんと言えるようになったものの、
“ストロンガー” の方は、
なかなかうまく言えず、苦労(笑)してました。

たぶん、
デザインや彩色が派手だからでしょうけど、ストロンガーが特に好きで、
コレクッションルームに入ってきては、
仮面ライダーの棚を指さし、

 「ストォンガガー、ストォンガガー・・・」

と言って、
取ってくれ、触らせてくれ、遊ばせてくれ、と
よく、せがんできたものです。 

なんとか、ちゃんと “ストロンガー” って言おうとするのですが、
どうしても、

 「ストォンガガー」

になっちゃうのが、とても可愛くて、忘れられないンですよね。
・・・あの声、今でも耳に残ってます。


・・・というわけで、
今回は、
仮面ライダーストロンガーのソフビを紹介させていただきます。

まずは、
番組放映当時(昭和50年)の人形から・・・。



バンダイ製、全長約25センチ。

スタンダードサイズの人形です。
マスク着脱可能。
まだ1歳だったので、面白がるかな・・・、と思い、

 「城茂(変身前の素顔)だよ」

と言って、
このようにマスクを脱がせてあげたのですが、
面白がる事など無く、只々、困惑の表情を浮かべてたのを憶えています。

城茂(演:荒木茂さん)になんか、全然似てないからかな・・・?(笑)


ポピー製、全長約13センチ。

ミニサイズの人形です。
ボールみたいに真ん丸な頭部が可愛くて、結構気に入ってます。 

こちらも、
ポピー製で全長約13センチのミニソフビですが、
“7人ライダー勢ぞろい” という商品名で、
1号、2号、V3、ライダーマン、X、アマゾン、と
セット売りされていた人形です(単品でも売られていました)。

こちらは、
同じくポピー製ですが、サイズが異なります。
全長約17センチで、
言うなれば、平成ソフビのスタンダードサイズ。
バンダイのライダーヒーローシリーズに通ずる人形ですね。 
このように、
型違いで2種類、存在します。

海賊版(いわゆる “ぱちもん”)の人形もあります。
発売時期は不明ですが、
まぁ、番組放映時の商品と考えて間違いないでしょう。
全長約23センチ。

なんとかして正規品に見せようという意思を感じるカラーリングですが、
いかんせん心細げな造形と、
“海賊版あるある” とも言える、
安物の布で間に合わせた “貧乏くさいマフラー” のせいで、
ダサいニセモノ感を拭いきれません。 ・・・脚は長いンだけどね(苦笑)。

この、粗野にして温かみのある味わい・・・、“昭和” だなぁ~(しみじみ)。


さて、
ここからは、
番組放映時の商品でない人形たちを紹介していきましょう。

食玩ソフビです。 
バンダイ製、全長約8センチ。
昭和63年の発売。

カラーリングが
地味というか手抜きというか、
印象弱すぎで、
パッと見、ストロンガーだと気づかない可能性があります。

たった1年及ばず、ではありますが、
やはり、平成でなく昭和のソフビ。リアルさの追求が甘いですね(笑)。

そして、時代は平成へ。
リアルソフビの時代になりました。

バンダイ製 ライダーヒーローシリーズ、全長約17センチ。

平成2年の発売。 

平成7年に、この明るいカラーリングに変更されましたが、
目の色(緑)が、
若干異なる2種が存在してました。

平成13年に、
このカラーリングに変更。

胸のS字マークが、実物と同じ黒字になりました。 

そして、平成21年、
同じくバンダイから、レジェンドライダーシリーズが発売。

全長約17センチで、上の4体のライダーヒーローシリーズと同じサイズですが、
型が異なります。
胸のS字マークは、更に実物に忠実に、“縁取り” が施されました。

ミニソフビも、平成の物はカッコいいです。

2体とも、
バンダイ製の全長約12センチで、
1号、2号、V3、ライダーマン、X、アマゾン、
スカイライダー、スーパー1、とのセット売りです。

向かって左側の人形が平成元年の発売で、右側の人形は平成14年の発売。

こちらは、食玩ソフビ。
バンダイ製 対決セット プレイヒーローVSシリーズ、全長約10センチ。

第143回「悲しきカンガルーは愛しきカンガルー」で紹介した、
奇っ械人ガンガル人形とのセット売りでした。

こちらは、
バンダイ製 ソフビ魂シリーズ。

向かって左側の人形が一般流通商品で、
右側のチャージアップした姿の人形は、
雑誌ハイパーホビーにおける誌上限定販売商品。
2体とも、
全長約16センチで、平成19年の発売です。 

デ、デカい・・・。
これは、
平成15年のプライズソフビ。クレーンゲームの景品ですね。

バンプレスト製 ビッグサイズソフビフィギュア、全長約37センチ。

チャージアップヴァージョンもありました。

6年後の平成21年、
同じくビッグサイズソフビフィギュアサイズという名称ながら、
サイズと型を変更して、
新たなプライズソフビのストロンガーが登場。

バンプレスト製 ビッグサイズソフビフィギュア、全長約27センチ。 

もう、まんま実物のストロンガーですね。
めっちゃカッコいい。
マスク脱がしたら城茂とは似ても似つかぬ顔をしたオッサンが出てくる、
僕が子供の頃のストロンガー人形とは大違いです(笑)。


さて、今回は、
孫が生まれた(長男が父親になった)事から、
長男が幼かった頃の事を思い出して筆を執ってみましたが、
やはり、感慨深いですね。
“ストロンガー” って言えず、「ストォンガガー」なんて言ってた1歳児が、
30年経って、妻や子を持ついっちょ前の男に、なってしまったンですから・・・。

嬉しいンだけど、
どこかちょっと淋しいような、
けれど間違いなく、僕にとっては身に余る幸福。目が潤んできてしまいます。

頑張れ、オッサンになった・・・いや、父親になった長男!
そして、
孫を産んでくれたお嫁さん共々、ありがとう。
どうか、家族全員が、これからも明るく健やかに毎日を過ごせますように・・・。




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