真水稔生の『ソフビ大好き!』


第244回 「新しい光」 2024.5

先月、昨年の長男夫婦に続き
次男夫婦にも子供が生まれまして(喜)、
孫が二人(今度は男の子でした)になった今日この頃です。

・・・感無量。
次男のお嫁さん、次男、そして神様、どうもありがとう。

前回(第243回「ずっとずっと・・・」)、
いつまでたっても幼児性が抜けない自身の精神について
述べたばかりなのに、
実年齢・実生活の方は、
そんな僕の心を置き去りに、
どんどん “じじぃ” の度合いが進んでいくようです(苦笑)。
以前にも述べた事がありますが、
夢の中に出てくる息子たちは、いまだに、
一緒に暮らしていた頃の幼い姿(長男は6歳まで、次男は4歳まで)なので、
そんな、時間が止まっている脳に、

 お前は、もう、“じじぃ” なんだよ、

と “現実” を突きつけられた感覚は、長男夫婦に子供が生まれた時以上の衝撃でした。
だって、
6歳(小学生)だった長男と比べたら、
4歳(保育園児)だった次男なんて、赤ちゃんとたいして変わらないくらいの印象ですからね。
ホント、

 あいつが父親!?
 まだ、ついこの間、おむつが取れたばっかりじゃないか・・・。
 いつの間に、そんなに長い年月が過ぎたンだ?

って感じで、唖然。
いまだに実感が湧いてこないくらいです。

・・・我ながら、
呑気というか、お気楽というか、
違う意味で、“おめでたい” お爺ちゃんです(苦笑)。


そうそう、“違う意味” といえば、
次男にまつわる、こんな思い出があります。

次男は、保育士をしているのですが、その職業を選んだ理由が、なんと、

 今までの人生で保育園時代がいちばん楽しかったから・・・、

だったンですよね。

 子供が好きだから・・・、

とか、

 未来に携わる仕事がしたいから・・・、

とかじゃなかったンです。
まぁ、もちろん、そういう気持ちも全く無かったわけではないンでしょうけど、
何より、
保育園時代の幸せな記憶が “自分が生きる場所はあそこだ” と指し示していたらしく、
大学も、それを理由に、
子供の教育や福祉について学べる学部・学科があるところを選んで入りましたし、
就職するための面接試験で志望動機を聞かれた際にも、
正直にそのままそう答えた、って言ってましたので、
次男の中にずっとあった、確固たる思いのようです。

ただ、
それを聞かされた時、めちゃくちゃ心が痛んだンですよねぇ、僕・・・。
だって、
次男の保育園時代、って、
おぼろげながらも次男の記憶に残ってる、父親である僕と暮らしていた唯一の期間なのですから。

 「あの頃が人生でいちばん楽しかった・・・」

なんて本人の口から言われたら、そりゃあ・・・(涙)。

いくら子供の頃が楽しかったといっても、
保育園時代なんて、
小・中・高の学生時代に比べたら、憶えていない事が圧倒的に多くて印象が薄いのに、
その頃がいちばん楽しかった、ということは、

 就学後の日々
 (つまり、僕が妻と別れて、息子たちと離れて暮らすようになってからの生活)は
 やっぱ、何かといろいろ辛かったのか・・・、

って思っちゃいますからね。

そんな僕の気持ちを瞬時に察して、

 「・・・あぁ、そういう意味じゃ無いよ」

なんて笑いながら言ってくれたけど、
そういう意味でしょ? だって・・・(苦笑)。
本来なら味わわなくていい嫌な思いや淋しい思いを、僕がさせたンですもの。
違う意味のわけがありません。

まぁ、でも、
そのおかげで、というか、
そのせいで、というか、
次男は、若くして自分が生涯を捧げるに値する仕事と巡り会えて、
現在、充実した毎日を送ってくれているようなので、

 これで良かったンだ・・・、

って思うようにはしてますけどね。
何の意欲も喜びも持てない仕事に出かけるために
憂鬱な顔して毎朝ネクタイを締めてたサラリーマン時代の僕のような姿を、
次男が自分の子供に見せる事は、絶対に無いわけですし・・・。
それだけが救いです。


そういえば、一昨年でしたか、
『ウルトラマンダイナ』でアスカ役を演じたつるの剛士さんが、保育士の資格を取得されましたよね。
あれは、感慨深いものでした。

というのも、
平成9年放送開始の『ウルトラマンダイナ』は、
僕が息子たちと暮らしていて一緒にリアルタイムで観ていた番組だし、
とくに次男は、
前年の『ウルトラマンティガ』を観ていた頃は、まだ、
パパやお兄ちゃんが観てるから、なんとなく一緒にボーッと観ているだけで、
物語の内容は、ほとんど理解出来てない様子だったのに、
『ウルトラマンダイナ』では、

 「この怪獣、可哀想だね」

とか、

 「リョウ隊員、って、アスカの事が好きなの?」

とか、口にして、
物語の内容にも興味を示して自分なりに理解しているようでしたし、
僕が主題歌を口ずさんでいると、
バックコーラスの部分を歌って参加してくるくらいにもなったので、

 子供って1年でこんなに成長するンだぁ・・・、

って嬉しい驚きを覚えた記憶があるンですよね。

なので、

 次男と観ていた『ウルトラマンダイナ』のアスカが、
 次男と同じ保育士に・・・、

ってニュースには、勝手に感じ入ってしまったのです。

ただ、
感じ入った勢いで、

 アスカが、お前と同じ保育士の資格を取ったぞ!

って次男に送ったメールに対する返信は、

 アスカって誰?

の一言で、ズッコケてしまいました(苦笑)。

その後、いろいろ説明しましたけど、
『ウルトラマンダイナ』を僕と一緒に観ていた事を
おぼろげばがら憶えているだけで、
登場人物の名前や物語の内容に関しては、ほとんど記憶に無いようでしたし、
怪獣の名前に至っては、
なんと、ただの1匹も憶えていませんでした。

まぁ、2歳とか3歳とかの頃ですから当然かもしれませんけど、

 そんな頃が人生で一番楽しかった、なんて・・・、

って、改めて胸が痛んだ次第です。


というわけで、
今回は、『ウルトラマンダイナ』関係のソフビたちを、いくつか紹介させていただきます。
次男はたいして憶えていなくても、僕はしっかり憶えていますのでね(笑)。 

  ウルトラマンダイナ 

バンプレスト製 1番くじコレクション、全長約14センチ。

コンビニ等で販売されているキャラクターくじの賞品です。
番組終了から4年後の平成14年に、
必殺技のソルジェント光線を放つ際のポーズでソフビ化されました。

ウルトラマンのスペシウム光線のポーズとまんま同じなので、
まぁ、言ってみれば、

 定番の “ウルトラマン人形” ・・・、

って感じですけど、

それだけに、
奇を衒ったような厭らしさが無く、スマートで落ち着いていて、
いろいろあるダイナ人形の中でいちばん気に入ってます。
     
     
 
これは、
ユタカ(ハーティロビン)製で、“ バラエティセット” という商品。

ダイナは、ティガみたく
戦闘の状況に応じて3つのタイプにチェンジする事が出来ますが、
それが、容姿の違いだけでなく、
それぞれの魅力を表現した個性的ポーズで、ソフビ化されてます。

平成8年の発売で、
この3体のみのセットと、
この3体に
ティガの3タイプ、そしてマンとセブンの人形を加えた8体セットの、
2種類がありました。
 
  フラッシュタイプ 全長約8センチ。

ダイナの基本形態。
光線技が多彩で、名称もそれに由来します。
今からその光線を放つのか、緊張感を感じる絶妙なポーズがカッコいいです。 
 
ミラクルタイプ
 全長約10センチ。

超能力に秀でた形態。
透視したり分身したりテレポートしたり・・・と、もう、無敵ですが、
主に空中戦を得意とするため、キレのある飛行ポーズでソフビ化。
手にして遊ぶだけでなく、飾った際にも楽しめるように、と
このようにロゴ入りのスタンドが付属されてました。 
  ストロングタイプ 全長約6センチ。

腕力や体力に秀でた形態。
強靭な肉体を誇り、規格外と言える圧倒的パワーで、強敵怪獣との格闘戦を制します。
あえてしゃがんだ状態でのファイティングポーズが、それを生々しくて感じさせてくれますね。

 
     
     
  レイキュバス

バンダイ製 ウルトラ怪獣シリーズ、全長約11センチ。
上段が平成10年発売で、
下段の向かって左側が平成12年発売、右側が平成19年発売。

第25話と第26話の
「移動要塞(クラーコフ)浮上せず!」前後編に登場した、宇宙怪獣。
口から放つ冷却ガスで
ダイナを氷漬けにした強敵ぶりが、強く印象に残っています。
 
    次男がいちばん好きだった怪獣なンですよね、これ。
番組を観ていた時、

 「カッコいい!」

 「強い!」

を連呼。
オモチャ屋でもねだられたので、買ってあげました。
    ところが、
離婚後(『ウルトラマンダイナ』放送時から2年後)も、
息子たちと会える日にオモチャ屋に連れて行ったら、
再びねだられたので、

 「お前、これ、持っとるてぇ。前に買ったったがや」

って言ったら、

 「色が違う」

と言われ、
それがリニューアル版であるという事を
ちゃんと認識したうえでおねだりしてきた事が解かり、

 僕のDNAを受け継いでいる・・・、
 将来は親子2代でソフビコレクターか・・・?

なんて思ったものです(笑)。 
     それが、まさか、
『ウルトラマンダイナ』に出てきた怪獣の名前を、1匹も憶えていない大人になるとは・・・(哀)。
     
     
 
ネオダランビア

ユタカ(ハーティロビン)製、全長約9センチ。
ウルトラマンダイナ人形とセット売りの
ミニソフビです。
平成8年発売。

頭部を横に向けた状態の造形が、
なんだか芸術作品みたいで、
どこかの美術館に展示されていても
違和感を覚えないほどの
気高さを感じますが、
ドライブインにある売店でも買えた、
廉価版玩具です(笑)。
  正面を向いている、こちらの人形は、食玩のソフビ。
バンダイ製 プレイヒーローVSウルトラマン対決セット、全長約9センチ。
ウルトラマンダイナ人形とセットでした。
平成9年発売。 


ネオダランビアは、
第1話および2話の「新たなる光」前後編に登場した、
ダイナが初めて闘った怪獣でありながら、
バンダイのウルトラ怪獣シリーズでは
なぜかラインナップ入りしませんでしたので、
ミニサイズの人形だけでも、ソフビ化・商品化されたのは嬉しかったですね。
  ちなみに、
ネオダランビアは
第49話「新たなる影」(最終章三部作の一作目)にも、
冒頭のシーンで登場しますが(第1話と第2話のネオダランビアとは別個体)、
実は、僕、
あの時、あそこ(火星)にいたンです。

というのも、
当時、円谷プロの社員だった脚本家の右田昌万さんに、
僕はファンレター
(というより、“平成ウルトラセブン” や『ウルトラマンティガ』に対する生意気な感想文(苦笑))を
何通も送っていて、
御丁寧な御返事も何度か受け取っていたので、
調子に乗って、或る時、図々しくも円谷プロまで会いに行った事があったンですけど、
右田さんは、
笑顔で迎えて下さり、お忙しい中、いろいろとお話を聞かせて下さっただけでなく、

 「今、撮ってるから、ちょっと観ていきます?」

なんて言って、撮影現場を見学させて下さったンですよね。

嬉しかったなぁ、あれは・・・。

撮影現場のスタジオ(円谷プロの近くにあった東宝ビルト)に入ると、
ネオダランビアが
土煙をあげながら地表を滑走するカット
(ダイナに背負い投げされた後、ダイナに向かって突進する、あのカットですね)を撮っていて、
生まれて初めて “生” で見る特撮シーンの撮影現場に、胸が躍りました。
前述したように
物語冒頭の火星でのシーンでしたが、
まさに、普段暮らしている場所(地球)ではない空間にいるような気がしたものです。 
     
  講談社写真部カメラマンの大島康嗣さん(特撮マニアの方なら御存知ですよね)も、その現場にいらっしゃっていて、
休憩時間に大岡新一監督と談笑されていたのですが、
そこへ右田さんが割って入り、わざわざ僕を紹介して下さったので、お二人に御挨拶させていただく事も出来ました。

あれも嬉しかったなぁ・・・。

僕が “ウルトラマン” に、
子供の頃からどれほど憧れ、大人になった今でもどれほど愛情を注いでいるか、を
夢中になって伝えると、
大島さんは、

 「あなたのようなファンの人たちでお金を出し合って、1本撮る、ってのはどうですか?」

とおっしゃり、隣の大岡監督に、

 「ねぇ?」

って同意を求め、
大岡監督も、

 「いいですねぇ、是非!」

なんておっしゃって、二人して笑っておられました。
もちろん、冗談なのですが、
だとえ冗談とはいえ、
撮影現場を見学しに来たファン(それも初対面の)に
いきなり製作費の援助をしないか、と持ちかけてしまうほど、予算不足の問題はひっ迫していたわけで、

 やっぱ、特撮、って、お金がかかるンだなぁ・・・、

なんて、しみじみ思ったのを憶えています。

・・・あ、そうそう、
しみじみ思った、といえば、
円谷プロから東宝ビルトに向かうのに、
右田さんは、最初、僕を、
ウルトラマンミラ(当時の円谷プロの営業車で、
         プラモデルにもなった、
         車体に “ウルトラマンキッズ” のキャラクターたちが描かれた、アレです)に
乗せてくれようとしたのですが、
いざ外へ出てみると、
数台の車がとめてあった円谷プロの駐車場の一番奥にそれはあり、すぐには出せない状態でしたので、
急遽、予定を変更し、
なんと、自転車2台で移動する事になったンですよね。

せかっくですからウルトラマンミラに乗ってみたかったものですが、
自転車のペダルを踏みしめながら、

 円谷プロから東宝ビルトへ、
 社員やスタッフでもない、ただの一ファンが、
 ウルトラシリーズの脚本家と一緒に自転車漕いで移動・・・、って、
 なんか、僕、
 今、めっちゃ貴重な体験してないか・・・?

って思った事も憶えています。


そういえば、
そうやって東宝ビルトへ到着してすぐ、
敷地内の道端に、大きな怪獣の口の造形物が放置されているのが目に入ったのですが、
後から思えば、あれ、
第48話『ンダモシテX』に登場した地底怪獣モゲドンの口でしたね。
京本政樹さん演じるハヤテ隊長と
赤井英和さん演じるチャダビン星人が
梯子をかけてよじ登り、モゲドンの体内へ入っていった、あの口、です。
その時にわかってたら
右田さんにお願いして僕も口の中に飛び込ませてもらったと思いますが、
放送前ゆえ、
それが何の口で、どんなシーンに使われた造形物か、知りませんでしたのでね。素通りしてしまいました。
惜しい事をしたものです(笑)。

まぁ、とにかく、ホント、
色々と、夢のようなひとときを過ごさせてもらいました。宝物のような思い出です。
     
     
  ゴルザ
バンダイ製 ウルトラ怪獣シリーズ、全長約15センチ。
向かって左側が平成8年発売で、右側が平成12年発売。
 
  この2体は、
ウルトラマンティガ人形とのセットだった、
バンダイ製の食玩ソフビ。
向かって左側が、
平成13年発売のDXウルトラ対決セットで、
右側は、
平成19年発売のプレイヒーローVS対決セット。
どちらも全長約9センチ。 
        型も彩色も同じですが、大きさが数ミリ異なります。
  ユタカ(ハーティロビン)製、全長約9センチ。

こちらも、ウルトラマンティガ人形とセット売りのミニソフビです。
平成8年の発売。 
 
  バンダイ製 カプセルソフビコレクション、全長約7センチ。

ガチャポンのカプセルにパーツに分かれた状態で入っていて、
購入後、それを組み立てて遊ぶor飾る・・・、って商品。
平成17年発売。
  バンダイ製 SGS(スーパー・グレード・ソフトビニール)、全長約15センチ。

平成11年発売(パワータイプのティガ人形とセット売り)。

ゴルザは『ウルトラマンダイナ』の前番組『ウルトラマンティガ』の、
第1話「光を継ぐもの」に登場し、ティガと闘った後、地中へ逃げ、
第18話「ゴルザの逆襲」において、
地下のマグマを吸収した強化体となって再登場を果たしました。
このソフビは、その強化体となったゴルザです。 
  ・・・で、
その『ウルトラマンティガ』第18話「ゴルザの逆襲」の後日談が、後番組である『ウルトラマンダイナ』の第43話「あしなが隊長」。
またしても、ゴルザが登場します。
つまり、ゴルザは、『ウルトラマンダイナ』の怪獣でもあるわけですね。

『ウルトラマンティガ』と世界が繋がっている
(『ウルトラマンダイナ』の第1話は『ウルトラマンティガ』の最終回から7年後の設定)・・・、ってのが、
『ウルトラマンダイナ』の魅力の、大きな一つでもありました。
    第43話「あしなが隊長」の台本。
脚本は、もちろん右田さん。サイン付きでもらっちゃいました(嬉)。
 
     
     
  ダイゲルン 
バンダイ製 ウルトラ怪獣シリーズ、全長約13センチ。
 
   向かって左側が平成9年発売で、右側が平成12年発売。
   
    第4話「決戦!地中都市」に登場した、肉食の地底怪獣。

本作も右田さんの脚本でしたが、
僕はダイゲルンの、この、
ずんぐりむっくりした体形や平べったい顔から受ける、
どうにもあかぬけしない感じが好きになれず、
その不満を右田さんに訴えたところ、

 「いやぁ~、ボクは、
  ワニみたいな姿形をした怪獣をイメージしてたンですけど、
  着ぐるみが出来上がってきたら、だいぶ違ってて・・・」

なんて、苦笑しておられました。
なんでも、
ダイナのパンチの拳を咥えてしまう、あのシーンも、
拳だけでなく、腕ごと丸々、
そのワニのような長い吻で咥え込んでしまう、ってつもりで書いたとか。 
    それを聞いて、僕は、

 なるほど、その方が断然面白かったのになぁ・・・、

って共感し、改めてダイゲルンのデザイン・造形を残念に思ったものです。

ただ、
思えば、実相寺昭雄さんも、
メトロン星人の事を、

 長靴のお化けみたい、

とか、
ガマクジラの事を、

 小原庄助さん(民謡『会津磐梯山』において、
        朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、それで身上をつぶした・・・、と
        唄われている人物)みたい、
とか揶揄して、
出来上がってきた着ぐるみが
御自身のイメージしていたものと違ってがっかりした旨を
たびたび語っておられましたが、
テレビを観ていた僕ら当時の子供たちの目には、
メトロン星人もガマクジラも、
それはそれはめちゃくちゃ魅力的な姿形に映っていましたので、
もしかしたら、ダイゲルンも、
大人の僕とはまったく違う印象を、番組を観ていた子供たちは持っているかもしれません。 
    息子たちに聞いてみてもいいけど、
どうせ、

 ダイゲルン? 何? それ・・・。

とか、

 知らん。全然、憶えてない。

とか、
そんな淋しい回答しか返ってこないでしょうから、やめときます(苦笑)。
 
     
     
  バオーン
バンダイ製 ウルトラ怪獣シリーズ、全長約15センチ。
平成9年発売。

第8話「遥かなるバオーン」に登場した、
隕石とともに地球の或る村に落ちてきた宇宙怪獣。
怪力ではあるものの、いつも寝てばかりいる、おとなしい性格ですが、
あくびの際に発する鳴き声に催眠効果があり、それを聞いた者は、皆、眠ってしまいます。
 
   
・・・なんか、
それこそ実相寺昭雄監督の作品に登場しそうな、“はぐらかし” 系の怪獣ですが、
ならば、
その性質とは裏腹な、
めっちゃ強暴そうな顔つきしてたり、
生理的嫌悪を覚えるほど気色悪い姿をしてた方が面白いし、
そんなギャップの可笑しみや哀しみこそが、“怪獣” の魅力だと僕は思うのですが、
最初から、こんな、
ディズニーランドに行けば会えて一緒に写真撮ってくれそうな容姿では、
意味が無いと思うンですよね。

“ウルトラマン” と闘う “怪獣” ならば、

 自身には何の罪も無いのに、見た目だけで、人類から怖がられ忌み嫌われる・・・、

って存在でないと、そのバトルに深みが出ません。
延いては、それが物語自体の物足りなさにも繋がってしまいます。
・・・な~んて言いながら、
オモチャ(ソフビ人形)になってしまえば、
このように
フツーに可愛いので、
フツーに気に入ってますけどね(苦笑)。
 
    余談ですが、
この回に柳谷寛さんがゲスト出演されていたのは、嬉しかったですね。
『ウルトラマンティガ』第36話「時空を超えた微笑」の中真千子さんなんかもそうですが、
昭和のウルトラシリーズにゲスト出演された方が
平成のウルトラシリーズにもさりげなくキャスティングされていると、子供の頃からずっと観てきた古参ファンの心は、くすぐられます。
     
     
  モンスアーガー
バンダイ製 ウルトラ怪獣シリーズ、全長約18センチ。
上段が平成9年発売で、
下段の向かって左側が平成12年発売、右側が平成19年発売。

第11話「幻の遊星」に登場した、宇宙戦争用の生体兵器。
シャープで迫力のあるデザイン・造形のカッコよさはもちろん、
ダイナのビームスライサーも跳ね返した強敵ぶりは、まさに本格派怪獣。


 
    バンダイのウルトラ怪獣シリーズのダイナ怪獣は、
第1弾がダイゲルンで、第2弾がバオーンでしたので、

 ダイナ、大丈夫か・・・?

って、最初は心配でしたが(笑)、
第3弾が、このモンスアーガーでしたので、

 やっと、まともな(カッコいい)怪獣を出してくれた・・・、

とホッとしたのを憶えています。
エピソード自体の面白さも相まって、僕は、この怪獣がとても気に入り、
息子たちに、
一緒に番組を観ていた時はもちろん、
その後も、コレクションケースからこのソフビを引っ張り出してきては、

 「これぞ、怪獣だ。解かるかぁ?」

なんて、熱く語っていたものです(笑)。 
   
   
  そして、
このモンスアーガーが登場する第11話「幻の遊星」で忘れちゃならないのが、
御存知、ハネジローが、初登場を果たした事、ですよね。

バンダイ製 ウルトラ怪獣シリーズ、全長約11センチ。
 

向かって左側が
平成10年発売の初版で、
右側は
翌年の平成11年発売のリニューアル版。
胴体の黄色が、若干、薄くなりました。
      顔と手足はソフビですが、胴体がエコファー(羽はフエルト)なので、
“小さなぬいぐるみ”、って感じです。 
  モンスアーガーが配備されていたメラニー遊星で迷子になっていたのを
アスカが地球へ連れ帰り、
以降、スーパーGUTSのマスコット(番組レギュラー)になりました。

第47話「さらばハネジロー」で、
元々は、ファビラス星に棲んでいたムーキャットという生物である事が判明しましたが、
当時、大ブームを巻き起こしていたポケットモンスターの、
ピカチュウを意識したであろう、そのデザイン・造形、そしてカラーリングが
なんとも愛くるしくて魅力的でしたし、番組の世界観にもマッチしていましたので、
実に優れたキャラクターだったと思います。

・・・ってか、大好きでした(苦笑)。 
     
   
さてさて、
ハネジローのように可愛かった息子たちたちも、今では、モンスアーガーのようにたくましい大人になり(笑)、
僕の “憶えとるか?光線” をあっさり跳ね返してきて、なんとも淋しい次第。 
 
けど、
この淋しさは、幸せだからこそ味わえる贅沢な感情。
この淋しさがあるから、
幸せの意味も解ろうか、というものです。

 長男も次男も父親になった・・・、

なんて、
彼らに父親らしい事を何もしてやれなかった僕には、身に余る幸せ。
いろんな意味合いの涙が溢れてきます。
どうか、生まれてきた孫が、
“人生で一番楽しかった頃” を、おぼろげでなくしっかり記憶に残るよう、長く長く味わえますように・・・。
頑張れ、父親になった次男! 







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