ところで、
“ちゃんちゃんこ” と “Tシャツ” で思い出した事があったので、
タンスの奥から、
こんなものを引っ張り出してみました。
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前面は無地で、背面に鬼太郎の後ろ姿のプリント、
っていう、洒落たデザインのTシャツなンですけど、
これ、
『セーラーファイト!』の撮影の際に、
セーラーファイターのスーツアクトレスの女の子から、もらったものなンですよね。
奇しくも、先ほど、
鬼太郎の黄色と黒のちゃんちゃんこが着たい旨を述べましたが、
30年前も、僕、
“赤いちゃんちゃんこ” でなく “赤いTシャツ” だった今回同様に、
“黄色と黒のちゃんちゃんこ” でなく “黄色と黒のちゃんちゃんこの(絵が描いてある)Tシャツ” を
プレゼントされていたンです。
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なんでも、
ゲーセンのUFOキャッチャーで取ったそうで、
「真水さん、妖怪が好き、って言ってたでしょ? だから、これ、あげます」
って、撮影現場で手渡されました。
さすがに30年も前の物ですので、
脇や袖の辺りが破れちゃってボロボロゆえ、今は着ていませんけど、
彼女の気持ちが嬉しかったので、ずっと取ってあったンです。
だって、
これをゲーセンで取って、鬼太郎のTシャツだ、って判った際に僕の事を思い出して、
わざわざ撮影現場まで持ってきてくれたンですから、
嬉しいでしょ、そりゃあ。
ただ、この事を彼女に話したら、まったく憶えていませんでしたけどね(苦笑)。
とはいえ、
僕の大切な思い出の品。
今回の赤いTシャツ共々、これからもずっと大事に持っていたい、と思います。 |
スミマセン、脱線しました。
話を “還暦祝いの会” に戻します。
・・・で、
その “赤いちゃんちゃんこ” ならぬ “赤いTシャツ” を受け取った後、
ちゃんちゃんこは、なんで “ちゃんちゃんこ” っていうのか、
って話題になり、
江戸時代に袖無しの羽織を着た清国の子どもが
鉦をチャンチャンと叩きながら飴を売り歩いていたのが由来で、
そこから、
袖無しの半纏の事を “ちゃんちゃんこ(チャンチャン子)” って呼ぶようになった・・・、
って或るスタッフの人が説明してくれたのですが、
その際、
さすが特撮ファンのじじぃの集い、斜め前の席では、仮面ライダーがどうのこうの、って話で盛り上がっていて、
その話も耳に入ってきていたので、
ちゃんちゃんこの名称の由来の飴売りの “飴” と、“仮面ライダー” がキーワードとなり、
僕は、
カンロの “仮面ライダーキャンデー” の事を思い出し、ノスタルジーに浸っていました。
御存知ですかね? カンロの “仮面ライダーキャンデー”・・・。
『仮面ライダー』放映当時(昭和46~48年)、
カルビーが発売した “仮面ライダースナック” に
おまけでついてきたライダーカードが、僕ら当時の子供たちの間で大流行したのですが、
その陰で、
カンロが “仮面ライダーキャンディー” って飴
(チェーン付きの筒状の缶に入っていて、その缶にはライダーや怪人たちの絵が描かれていました)を発売して、
それにも、ライダーカードが、おまけで付いてきたンですよね。
確か、カルビーのライダーカードよりも、やや大きめのサイズのカードで、
裏に書いてある番号が1000番台のものばかりだった・・・、と記憶していますが、
こちらは、やはり、“二番煎じ” ゆえ偽物感が強く、全然流行らなくて、
周りにも集めてる子はほとんどいませんでした。
ただ、僕は、
“仮面ライダー愛” なら誰にも負けない、
って子供でしたので(苦笑)、 カルビーのライダーカードと同等・・・とまではいかずとも、頑張って結構な枚数、集めたンですよね。
・・・で、憶えているのが、
そのカンロのライダーカードに、
毒トカゲ男が両手を胸の前でクロスにしてる写真のカードがあったンですけど、
それが子供心にめちゃくちゃカッコよく思えて、
カルビーのライダーカードの毒トカゲ男のカード
(毒トカゲ男が空中でキックをしている写真で、これまたカッコよかった)と
並べて飾ってたンですよね。
当時、我が家にあった大きな本箱の上部に、
ガラス扉のショーケースがくっついてまして、
そのショーケースの中には、
鮭をくわえた熊の木彫りの人形とか、東京タワーと霞が関ビルが並んでる置物とか、
そういう、誰かからもらったお土産が色々と飾ってあったのですが、
僕は、それらを隅っこに追いやり、
ど真ン中のいちばん手前に、サイクロンに乗った仮面ライダーのプラモデルを飾っていて、
そのプラモデルに、
2枚の毒トカゲ男のカードを並べて立てかけたンです。
もう、毎日、眺めてましたね。
レコードをかけて、
『レッツゴー!!ライダーキック』や『ロンリー仮面ライダー』なんかを聴きながら、
そのショーケースの中をマジマジと覗き込むと、 胸が弾みながらも、和みややすらぎみたいなものも感じられる・・・、という最高の気分を味わう事が出来ました。
・・・ん?
考えてみたら、 片手に缶ビールが有るか無いか、の違いだけで、
現在の、コレクションルームでくつろいでる時の僕と、なんら変わらないなぁ・・・(苦笑)。
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というわけで、こちらは、
現在のショーケースの中にいる(笑)、毒トカゲ男のソフビ。
ポピー製、全長約12センチ。
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番組放映時に発売された商品ですが、
昭和のミニソフビにしては、
実物のイメージを重要視したリアルな造形をしています。
彩色は、実物とは異なるものの、
胴体のこってりとしたクリーム色で “爬虫類感” を狂おしく匂わせ、
かつ、頭部に吹かれたシルバーで、
成形色の黒が持つ “闇” のイメージに “科学” の手が加わった印象を与え、
この怪人が “爬虫類(トカゲ)の改造人間である” という事を、端的に伝えています。
また、
目の部分の赤が、いいアクセントになって、
いかにも悪者、
って感じで、
実に素敵なショッカー怪人の人形ではないか、と思うンですよね。 大好きです、これ。 |
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いい顔してます・・・。 |
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このように、
首の周りが襟巻をしているような形態になっていたので、
子供の頃、
ドクトカゲとはエリマキトカゲの事だと、ずっと思い込んでいたンですけど、
或る時、
モリサダ君
(このエッセイに何度も登場している、
近所に住んでた1歳上の友達で、一人っ子の僕が兄のように慕っていた存在)が、
黒い体に赤の斑模様が入ったトカゲ(アメリカドクトカゲ)の写真のシール
(モリサダ君の家はお金持ちでしたので、
応接間のテーブルの上やキッチンに、常に外国製のお菓子が置いてあって、
その中のチョコレートだったかキャンディだったかに、
野生動物の写真のシールがおまけで付いていて、その中の1枚)を見せてくれて、
「これがドクトカゲだよ。毒トカゲ男は、これの怪人」
って教えてくれました。 |
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けど、
アメリカドクトカゲに毒トカゲ男はまったく似ていないし、
そもそも、“トカゲロン” という大人気怪人が “ドクトカゲの怪人” として既にいたので、
“毒トカゲ男” なんて紛らわしい名前にせず、
見た目のまま、エリマキトカゲ男でいいじゃないか・・・、
って思った事を憶えています(笑)。 |
さてさて、今回も結局、
赤ちゃんに還る意の還暦の話題から、
赤ちゃんの頃でなく、『仮面ライダー』を観ていた頃に還ってしまいましたが(苦笑)、
僕の人生を振り返ってみると、
やっぱり、“仮面ライダー” で、
決まった、というか、変わった、というか、
あの時の “ときめき” が、すべての根幹になってると思うンですよね。
もちろん、
それ以前に “ゴジラ” や “ウルトラマン” があって今でも大好きなンですけど、
小学校に上がって『仮面ライダー』を観て、
初めて、
大人になったら俳優(佐々木剛さんや藤岡弘さんや千葉治郎さんみたいに)になりたい、
って憧れを抱いたし、
自身のアイデンティティとなる収集癖も、
明らかに開花したのは、先述のライダーカードのブームがあったからだし、
僕という人間の土台は “仮面ライダー” で出来ている・・・、
と言っても過言ではないほど、影響を受けているンですよね。
特別なンです、“仮面ライダー” は・・・。
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ちなみに、毒トカゲ男、
口から赤い毒液を吐くンですけど、
還暦になったら、この怪人をしみじみ思い出す運命だったのでしょうか・・・。
違いますね。重々承知しております(笑)。
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そんなわけで、では、また次回。
今月も、どーでもいい僕の思い出話(苦笑)にお付き合い下さり、ありがとうございました。
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