真水稔生の『ソフビ大好き!』


第95回「オレ竜・強竜・黄金竜」  2011.12

今シーズン、我が地元球団・中日ドラゴンズは、
球団史上初の
2年連続リーグ優勝を、見事果たした。

あのドラゴンズが、である。
いまだに夢のようで信じられない。
だって、
ドラゴンズは、
たまに優勝するけれど、基本的には負ける事が前提の、それはそれは弱いチームだったのだ。
河村たかし名古屋市長が、

 「落合さんが監督になるまでのドラゴンズは、ずっと敗北の歴史だった」

と新聞のインタビューで話していたけど、
まさにその通り。
ファンはずっと悔しい思いをしてきたのだ。

それを
2年も続けて優勝するような強いチームにしてくれて、落合監督には、感謝の気持ちでいっぱいである。
今季限りでの退任は誠に残念だが、
ドラゴンズファンとして、
僕は心から、落合さんに「ありがとう」と言いたい。
まさに名将、素晴らしい監督だった。

野球は選手がするものだから、
チームが強いのは
もちろん選手が凄いからなンだけど、
負ける事が当たり前だったローカル球団を常勝球団に変えたのは、
明らかに、落合監督の手腕。

2004年に就任以来、
8年間で、このV2をはじめ優勝は4回。
球団創立以来75年間で
ドラゴンズが優勝したのは9回だから、
そのほぼ半分を落合監督指揮下のこの8年間に勝ち取ったわけである。

しかも、
優勝を逃したシーズンも全て優勝争いに参加し、Aクラスから落ちた事は一度も無い。
うち1回は、御存知のように、
その年の優勝チーム・巨人をクライマックスシリーズで倒して日本シリーズに進出し、
53年ぶりの日本一にも輝いている。

誰が監督をやっても優勝する、巨人や西武のような強いチームではない。
落合さんが受け持ったのは、
何度も言うように、
負ける事が当たり前だったローカル球団・中日ドラゴンズなのである。
だから凄い。
そこが凄いのだ。

就任した1年目は、
補強(トレードなどによる他球団の選手獲得)無しでいきなり優勝だし、
エース(川上憲伸投手)と
4番(タイロン・ウッズ内野手)が退団した翌年も、
例年通り何ら変わることなく、当たり前のように優勝争いに参加した。

どんなチーム事情だろうが、
どんなアクシデントが起きようが、
手持ちの戦力を巧みに使って、負けない野球をする。
その試合、あるいはシーズン全体の流れを読み、ポイントポイントで達人的な策を打つ。
ドラゴンズが強いのは、
疑う余地無く、落合監督が率いていたからなのだ。

洞察力、忍耐力、記憶力に優れ、常に冷静沈着。
好き嫌いで選手を使わないし、失敗した選手を責める事も無い。
負けた責任はすべて、監督である自分が負う。
器のデカい、実にカッコいい指揮官だと思う。

それに、
過剰なアクションのパフォーマンスによる茶番も無ければ、
鉄拳制裁などという野蛮で幼稚な振る舞いもしないので、ファンは純粋に野球を楽しめる。

 「オレの仕事は野球をして勝つ事」

の言葉どおり、
その事だけに全神経を集中させているがゆえに多くを語らず、
そのため、
取材を受けても木で鼻をくくるような対応になってしまって、
マスコミ関係者には受けが悪いようだが、
本当に野球が好きなファンからすれば、あれほど魅力的な野球人はいないし、
なんたって、
きちんと結果がついてくるのだから、その言動すべてに説得力がある。

また、
勝つ者がいれば当然負ける者もいて、
その両者に “勝負の味” があるのは確かだが、
勝つ事を目的に真剣に戦ってこそ初めてそれが生まれるのであり、
勝負は勝たなければ意味が無い、
という落合さんの信念には、僕は大いに共鳴する。

選手としての偉大なる記録の数々はもちろん、
この、
執拗なまでに “勝ち” にこだわる姿勢をはじめとする、
落合さん独特の “野球観” と言うか、“プロ意識” と言うか、
そういったものを僕は尊敬していて、
現役時代から落合さんのエッセイやインタビューはチェックしていたし、
解説者になってからの落合さんの発言も、興味深く聞いていた。

だから、
8年前、落合さんがドラゴンズの監督に就任した時はとても嬉しかったし、期待もした。
別に、ドラゴンズの日本一やV2を見せてもらえる、と
具体的に予想したわけではないが、
チームに革命を起こしてくれそうな気配を強く感じたのである。

今、落合さんの “野球観” や “プロ意識” について、
“独特” という言葉を使ってしまったが、
実は、
落合さんの言っている事は、プロの野球人として当たり前の事である。
当たり前の事を言っているだけなのに、
それが “独特” と感じられ、
“オレ流” などと呼ばれて特別視されるのは、
そこまでストイックに野球に取り組む人が、ほかにいないからである。

たとえば、
落合さんが唱える “勝ちにこだわる野球” のひとつに、

 無死あるいは一死で走者が3塁にいる場合で
 どうしても1点が欲しい試合展開ならそこでヒットは打たなくていい、

というのがある。
そういった場面では、
無理して打球を飛ばす必要は無く、ボテボテの内野ゴロを打てばいい、という事である。
そうすれば、
ほぼ確実に3塁ランナーをホームに迎え入れて得点する事が出来るし、
ヒットやホームラン、あるいは外野フライを打つ事よりも、技術的に簡単なのである。

言われてみれば、実に理に適った考え方だが、
それを実行している選手はいない。
みんなやっぱりヒットを打とうとするからである。

 「もっと確率の高い方法があるのに、なぜしないのか!」
 
落合さんが監督に就任していちばん最初に言われたのがこれで、
目から鱗が落ちる思いだった、と
当時現役選手だった立浪和義さんは振り返っている。

そういえば、落合さんが現役時代、
打撃練習の際にわざとボテボテのゴロを繰り返し打っていた、という有名なエピソードがあるが、
あれは、まさに、
この、“いちばん簡単に1点が取れる打撃” をより確実に実行するための練習をしていたわけだ。


落合さんの “野球観”や“プロ意識” は、現役時代から一貫しているのである。
頑ななまでに、ずっと。
勝つために戦う、というただその一点で。

それが証拠に、
連覇おめでとうございます、という声をかけられても、

 「結局は負けたチームだから・・・」

と、去年も今年も日本シリーズで勝てなかった悔しさをのぞかせるし、
先日行なわれた優勝パレードの際の挨拶でも、
8年間で優勝が4回、という事に関して、

 「私としては、
  半分しか優勝出来なかったのか、という気持ちです」

と述べている。
8年やったンだから8回全部優勝したかった、というわけだ。

つまり、
こんなに強くなったドラゴンズでも、
落合さんからしたら、まだまだ物足りないのである。

もう監督を辞めるのに、
まだそんな事を言っているのだから、まったくもって恐れ入る。
この、
誰よりも強い “勝利への執念” こそが、
ドラゴンズを強くしたエネルギーの源であり、その徹底ぶりには、改めて感服してしまう。
本当に凄い監督だったと思う。

子供の頃からずっとドラゴンズを応援してきて、
こんなにもプロ野球が楽しかった事はない。
放っておいても
3、4年に1回は必ず優勝する巨人のファンには、この気持ちは理解出来ないだろう。

本当に楽しかった。
嬉しかった。
感動した。
地元球団・中日ドラゴンズが強い、というこの8年間、僕ははしゃぎ続けた。
“落合監督、万歳!” である。

ただ、
以前、第63回「今日もマグマは空を飛ぶ」の中でも述べたように、
あれほどまでに立派な野球人であるにも関わらず、落合さんは非難される事が多い。
悪口を言う人が、まぁ多いのだ。
ファンとしては、実に嘆かわしい事である。

数年前、
テレビ局のスポーツ部でアルバイトしていた事があるのだが、
やはり、落合さんを嫌うスタッフが多かったので、
納得いかない僕は、一人一人理由を聞いてみたところ、

 取材してもあまりしゃべってくれないので、
 面白い記事・映像が作れない、

という声がほとんどだった。
要は、
楽に仕事が出来ない、という事である。

 お前らの仕事の都合なんか知らんがや!

って思ったけど(笑)、
人間の心理・心情として、これは理解出来ない事もない。
先ほどもチラッと述べたように、
マスコミ受けが悪いのには、落合さん自身にも全く問題が無いわけではないと思うから。

だけど、
そういうマスコミに踊らされて、
さもそれが正義かのごとく落合批判をする野球ファンが多いので、それが嘆かわしいのだ。

たとえば、
落合さんがドラゴンズの監督に就任した時、大いに喜んでいた僕に対し、
或る知人などは、

 「落合なんかが監督して、勝てるわけがない。ダメに決まってる」

と言って小馬鹿にした。
落合さんを嫌いなマスコミが
悪意を持って発したものを見聞きしてきた影響で、
“アンチ落合” になってしまっている典型的なタイプの人だったが、
根拠も無いくせにあまりに偉そうに語るので、イラッとして口論になってしまった。
それ以来、
絶縁状態になってしまっているが(苦笑)、
ムカつくから連絡をとらない僕とは違って、
その人は恥ずかしくて僕に会わす顔が無いのだろう。
だって、
落合さんが監督で “ダメ” だったシーズンなんて、ただの一度も無かったのだから。
ざまぁみろ、である。

だが、
落合さんがそうやって監督としてきちんと結果を出しているにもかかわらず、
それでも悪口を言う人がいるから、嘆かわしさは止まらない。

いちばん印象的なのは、
やはり、
ドラゴンズが53年ぶりの日本一に輝いた2007年の日本シリーズ、
その日本一がかかった第5戦で、
8回まで相手打線をパーフェクトに抑え完全試合目前だった山井投手に代えて、
落合監督が守護神・岩瀬投手を最終回のマウンドに送った、
あの、球史に残る出来事をめぐっての事。

あれは、
野球解説者の野村克也さん曰く、

 「10人監督がいたら、10人の監督がしない事。あんな事は落合にしか出来ない」

という名采配であったのだが、

「非情だ」とか、「感動が消された」とか、

批判の声もあがった。

そりゃあ、
ドラゴンズが別に勝たなくてもいいと思っている人は、
イチかバチか、山井投手が完全試合を達成するかどうか見てみたかったかもしれない。
だけど、
あれはプロの勝負の世界。選手も監督も、遊びでやっているのではないのである。
しかも、
1年間通して戦うペナントレースではなく、日本シリーズという短期決戦。
あそこで勝たなければ、何の意味も無いのだ。

半世紀以上も日本一から遠ざかっていたあの時のドラゴンズにとって、
日本シリーズ制覇は、悲願中の悲願。
それを達成するのに最も可能性の高い手を監督が打つのは、当然の事である。

その瞬間のために、
落合さんはドラゴンズの監督に就任したのだし、
その瞬間のために、
選手たちは12球団一キツいと言われている練習をこなしてきたのだから。

それに対してケチをつけるなんて、
本当にプロ野球のファンなのか?って思う。

 「1本ヒットを打たれてから代えても遅くなかった」とか

 「完全試合が途切れた時点で交代すればいい」とか

もう馬鹿馬鹿しくて相手にしてられない意見が飛び交って、反吐が出そうだった。

1対0で1点リードしてるだけなのに、
1本ヒット、って、
そのヒットがホームランだったらどうするのか?

完全試合が途切れた時点、って、
それが四死球やエラーだったら、
まだノーヒットノーランの可能性が残っているのに、そこで代えるのは非情ではないのか?

まさか野球のルールを知らずに発言しているわけでもあるまいし、
いったいどういう思考回路だと、そんな意見が導き出されるのか、理解に苦しむ。

そもそも、
真剣勝負の中で生まれてこそ、記録にだって価値があるのに、
勝負そっちのけで運良く記録が出たとして、
はたしてそれが何になるのか。

半世紀以上の呪縛を解いて悲願の日本一を達成しなければならないのに、
“勝負そっちのけ” などという選択があるはずない。

球団関係者やファンの思いを背負った落合監督のあの時の覚悟は、
そんな低レベルな言いがかりをつけられるようなものでは、決してない。

繰り返し言うが、
監督も選手も、遊びで野球をやっているのではないのだ。
生活かけて必死で戦っているプロに対して、
欠陥・矛盾だらけの論理で軽率に批判するのは、非常に失礼な事だと僕は思う。

だいたい、
あのシーズン、1年間通してドラゴンズの野球を見てきた人なら、
あそこで、
山井投手と岩瀬投手のどちらを投げさせた方が試合に勝利する可能性が高いか、
考えなくてもわかるだろう。

あんな試合を逆転されて勝利を逃したりでもしたら、
シリーズ全体の流れや勢いが相手に行ってしまう事は、素人の僕でも容易に予想出来る。
何が何でも、あの試合に勝たなければならなかったのだ。

 「勝つ事だけがファンサービスではない」

という声もよく耳にした。
確かにそうなンだろうけど、
それは、
勝った者にしか言えない事。勝ったからこそ言える事。
勝負に勝てないのにそんな事言ってたら、みっともないにも程がある言い訳だ。
勝負に勝てないプロが、ファンサービスもヘッタクレも無い。
アホか! である。

日本シリーズがどういうもので、
選手たちが何のために戦っているのか、
そのために監督がすべき事は何か、
答えはそれぞれひとつしかないのに、
それすら理解していないでいったい何を言っているのか、って思う。

以前、
高校野球に関して、
「敬遠や隠し球は卑怯だ」とか
「坊主頭が爽やかな感動を呼ぶ」とか、そういった意見は、
薄っぺら過ぎて救いようが無い、
という僕の考えを述べた事があるが(第8回「ゴジラ人形のこと」第82回「自由を我等に」参照)、
落合さんのあの采配を否定する人たちは、
そうやって高校野球を勘違いしている人たちよりも性質が悪いと思う。
だって、
相手は職業として野球をやっているプロなのだから。


まぁ、でも、
そういうのは、酔っ払ったド素人の戯言とでも思って、
あきらめて放っておくとしても、
あの時、専門家の中にも、落合さんを批判する人がいたから驚きだ。

 「スポーツに対する冒とくや!(落合監督には)サッサと辞めてほしい」

と発言した自称スポーツライターや、

 「落合監督は監督の器じゃない」

と発言した野球解説者(しかも情けない事にドラゴンズOB)がいた事を憶えている人も多いだろう。

人それぞれいろんな考え方やものの見方があるとは言え、
あれは、
落合監督やドラゴンズの選手に対して失礼極まりないし、
ドラゴンズファンへの配慮が著しく欠如している、実に無神経で幼稚な発言であったと思う。
少なくとも僕は腹が立ったし、哀しかった。
いまだに許せない。

確かに交代が告げられた時は、えっ!?って驚いたけど、
勝負の世界の厳しさを痛感して、

 プロ野球って凄いなぁ、
 落合監督はやっぱ凄いなぁ、

って、僕は瞬間的にシビれたものだ。
誰もがそうやって素直に賞賛すると思った。

でも違った。
ド素人ではなく、玄人の中にも、あの采配に異を唱える人がいたのだ。
交代よりも、そっちの方がもっと驚いた。

まぁ、
マスコミのせいで世の中全ての人が落合さんを嫌いだと勘違いしていて、
自分の発言に多くの賞賛・同意が集まるとでも思っていたのだろう。

ところが、
そんな浅はかでセコい思惑は大きく外れ、
おまけに、
日本シリーズ終了から数日経って、
あの采配が評価されて落合さんが正力松太郎賞を受賞しちゃったものだから、
以降その二人は何も言えなくなってしまい、
結果として世間に大恥をさらす事になってしまった。

自業自得である。
あんな無礼がまかり通ってたまるか。

結局、
ウケ狙いか、個人的な妬み・嫉みの解消か、
そのどちらかの目的で、
落合さんが何も言わない(相手にしない)のをいい事に、無責任な事を言っているだけなのだ。
ガキじゃあるまいし、
恥を知れ! と言いたい。

まぁ、恥を知っているから、
巷の反応に気づいてすぐに二人は口を閉ざしたのだろうけど(嘲笑)、
そんな事一切お構い無しに、延々と落合さんにケチをつけ続けている人もいるので、
嘆かわしさは、まだまだ止まらない。

この際だから名前を出させていただくが、
漫画家であり、タレントでもあり、
テレビのワイドショーなどに
よくコメンテーターとして出演されている、やくみつる氏の落合批判は、いちいち癇に障る。
事ある毎に落合さんを侮辱し、
素っ頓狂な論理で嫌味ったらしく中傷するので、非常に不愉快である。
ドラゴンズファンに喧嘩ふっかけてるとしか思えない。

たとえば、
その、完全試合目前の山井投手を岩瀬投手に代えた采配に関しても、

 「空気の読めない采配だった」

とコメント。
日本一を決めるためにやってる試合で、
勝利して日本一になる事以外、いったいどんな空気があると言うのだろう?

その采配で失敗したならまだしも、落合監督の采配は成功したのだ。
半世紀以上の間、
誰がドラゴンズの監督をやっても成しえなかった“日本シリーズ制覇”を、
落合監督が、あの采配で達成したのだ。

それを “空気が読めない・・・” などと言って馬鹿にするなんて、
意味がわからないし、失礼過ぎる。

日本一達成の翌日の新聞に載っていた山井投手の奥さんのコメントを、
やく氏には是非読んで聞かせてやりたい。

 「私も最後は岩瀬さんに投げてほしかった」

というその1行に、
なんて素敵な奥さんなンだろう、と僕は感嘆してしまった。

奥さんなんだから、
夫である山井投手に最後まで投げてほしかったに決まっているのに、
そこを、
落合監督や岩瀬投手の立場、ドラゴンズファンの思いなどを気遣って、この発言。
泣かせる。
しかも、これで結果として、夫である山井投手の男の株も上がるわけだから、
実に素晴らしいコメントだったと思う。

空気を読む、とはこういう事である。

ドラゴンズファンの神経を逆撫でするやく氏の無神経な発言こそ、
まったく空気が読めていない、非常識なものだ。

また、
落合監督の今季限りでの退任が決まった際にも、
やく氏は、
新聞に見下げ果てたコメントを寄せている。

 「落合さんは、なんだかんだ言って結果を残した人」

だそうだ。

 なんだかんだ言っているのは、あんただろ!

と思わず紙面にツッコんでしまった。

まともな野球ファンが、
選手としても監督としても素晴らしい結果を出した超一流野球人に、
なんだかんだ、なんて言わない。

素晴らしいものは素晴らしいのだ。只々、素晴らしいのだ。

この期に及んで
まだ落合さんの偉大さを素直に認められないやく氏の往生際の悪さにあきれ果て、
僕は乾いた笑いさえ起きた。

やく氏は、
ここ数年下位に低迷している横浜ベイスターズのファンだそうなので、
応援しているチームの不甲斐無さから
毎年優勝争いするような強いチームに嫉妬する気持ちは解らなくもないが、
女々しい発言があまり度重なると、
見苦しさが際立って同情も出来難くなる。

だいたい、
個人的なやっかみで歪んだ発言を繰り返して仕事が成立するなら、
コメンテーターほど楽でボロい商売はない。
そんなンでギャラがもらえて実に羨ましい、と
こっちがやく氏をやっかんでしまいそうだ(笑)。


でも、
やく氏をはじめとする、
落合博満という立派な野球人に難くせをつけるそういう人たちのおかげで、
結果的に、僕には良かった事もある。
日々の暮らしの中で
何か理不尽な事をされたり言われたりしても、それほど腹を立てなくなったのだ。
以前よりは、クールな性格になれたと思う。

だって、
あれだけ素晴らしい結果を出してる落合さんでさえ、
そうやって文句言われたり、ケチつけられたりするのだから、
僕なんかが受ける仕打ちのレベルで怒ってたら、落合さんに申し訳ないし、恥ずかしいからね。


・・・というわけで、
今回は、
野球に興味の無い人には
まったくどーでもいい内容(毎回、どーでもいい、っちゃあどーでもいい内容なンだけど(笑))で、
しかも、
ちょっと感情的になってしまい、
大人気なくて(毎回、大人気ない、っちゃあ大人気ないンだけど(笑))申し訳ありませんでしたが、
落合監督、今年で退任だし、
最後にどうしても言いたかったので、どうかお許し下さい。

そういえば、
落合さんに替わって、
来季から再びドラゴンズの監督になる元祖ミスタードラゴンズ・高木守道さん、って、
落合さん以上に口数の少ない人だと思うけど、
マスコミ受けは、大丈夫かな?(笑)

・・・まぁ、そんな心配はともかく、
やはり、
三連覇を夢見て願うファンとしては、
落合さんが作り上げた強さを維持してもらわなければならないので、
どんなチームになるのか、それがいちばん気になる。

ちょっと前にコーチ陣が発表になったが、

 ドラゴンズに愛情がある人を・・・、

という事で、
名古屋人には馴染み深いドラゴンズOBの名前が、ズラリと並んでいた。

 “ファンと共に・・・”

をスローガンに掲げる高木新監督なので、
地元のファンの心情も多分に配慮に入れての人事であろう。
ドラゴンズのOBがベンチにいないと淋しい、という声が多かったそうだから。

だったら、
落合さんをヘッドコーチにすればいいのになぁ(笑)。

冗談はともかく、
来年は辰年で、まさにドラゴンズの年。
落合監督が育てた竜戦士たちが、
その馴染み深い顔ぶれの首脳陣の下で、
今度はどんな感動を新たに与えてくれるか、とても楽しみである。
と同時に、
落合さんが去ってまた元の弱いチームに戻らないか、正直ちょっと不安(苦笑)。


・・・で、
コレクションですが、
落合監督が築いてくれた “ドラゴンズの黄金時代” にちなみまして、
黄金色の竜・ナースを紹介する事にします。

       

宇宙竜・ナース
ご存知『ウルトラセブン』第11話「魔の山へ飛べ」に登場した、ワイルド星人の護身用怪獣である。

なんといっても、
全身が黄金色である事による “デラックス感” が子供心にカッコよかったが、
とぐろを巻いて円盤状になったり、
長い体をセブンに巻きつけてきたり、といった、
わかりやすくてダイナミックな攻撃も、子供の目を惹いた特長のひとつだったと思う。

胸躍る印象的なバトルを展開した “人気怪獣” と言えよう。

だが、
そんな子供受けするキャラクターであるにもかかわらず、
その特殊な形態ゆえであろう、
玩具化は、ずっと見送られ続けてきた。

 ナースの人形が欲しい、

と熱望しながら淋しく成長していった男の子が、
僕に限らず、当時は大勢いた事だろう。

なので、
平成5年に、ナースがバンダイのウルトラ怪獣シリーズのラインナップに入った時は、
とっても嬉しかった。
『ウルトラセブン』で育った世代が大人になり、
『ウルトラセブン』を見ていた頃と同じくらいの年恰好の子供を持つような年齢になった頃、
ようやく人形が商品として世に出たわけで、
なんだか感慨無量だったのだ。

      バンダイ ウルトラ怪獣シリーズ
全長約30センチ。


   その後、2度にわたり、彩色変更されている。

     
   平成12年発売       平成20年発売


       
  こちらの2体は、試作品。



       
    これは、同じくバンダイの、
  怪獣標本
というシリーズのソフビ。
  全長(高さ)約11センチ。平成21年発売。
  
  もう、オモチャと言うよりは、
  オブジェ、アートの域。
  応接間とかオフィスとかに飾ってあっても、
  普通にお洒落で違和感無し。
 



放送から四半世紀以上の時を経て、ようやくオモチャになってくれたナース。
それはまさに、長年の夢の実現であり、
日本一とかセ・リーグ連覇とか、
ドラゴンズの悲願の達成と、偶然にもイメージがダブる。
ナースという怪獣が、
竜の形で黄金色だったのは、“神の計らい” であろうか・・・(笑)。


    天高く舞う黄金竜、の図。

落合監督が築いたドラゴンズの黄金時代が、 
どうか来年以降も続きますように・・・。



あと、最後に御報告をひとつ。

実は、
我が草野球チーム・マミーズも、
今シーズン、リーグ優勝を果しましたっ!

バンザーイ!!

落合さんやナースの事よりも、本当はこれが言いたかったのかも・・・(笑)。

ここ数年、下位に低迷していた我がチームですが、
今年は結成25周年という事もあってか、皆のモチベーションが高く、
息つまる接戦を次々と制し、見事、頂点に立つ事が出来ました。
しかも、落合監督ラストイヤーに・・・。
感無量。
良い思い出になりました。


           
                                 落合監督と同じ回数の6回、胴上げしてくれました。
                               さすが、みんな、わかってるなぁ(笑)。



僕は落合さんのような立派な監督ではないけれども、
メンバーみんなのおかげで最高の気分が味わえたので、
落合さんが
今年のドラゴンズ優勝祝賀会で
ビールかけの最中にインタビューに答えて発した言葉を、そのまま仲間たちに贈りたいと思う。

「選手様様」

本当にそう思う。感謝、感謝。

       
                  それにしても、
                勝つ、って、ホントいい気分。
                やっぱ、
                勝負は勝たなきゃ、意味が無いな(笑)。




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