第213回 「クワァーッ!」 2021.10
同年代の知人女性(付き合ってた時期もあるので、一応 “元カノ”) から、 >生理が、あがりました。 という一言だけのメールが、突然送られてきました。 もう、何年も会ってませんし、連絡もほとんど取ってなかったのに、 なんで僕に、なんでそんな事を、なんでわざわざ知らせてくるのか(しかも挨拶抜きで)、 まったくもってよく解りませんが、 まぁ、 僕を恋愛相手に選ぶような女性ですので、 ちょっと変わったセンスや神経を持ち合わせているがゆえの言動でしょう(苦笑)。 それにしても、 とんでもない事から、自身の実年齢を思い知らされたものです。 前回も述べましたとおり、本業ではまだまだ認めてもらえておらず、 それだけではとても食べていけない現状ゆえ、 アルバイトで生計を立てながら夢を追いかけているような僕ですので、 普段は、自身が還暦目前のジジィである事など、ほとんど気にせず暮らしています。 精神年齢は、 20代・・・いや、下手すりゃ10代・・・いやいや、 いまだにオモチャに夢中で、やれウルトラマンだ、やれ仮面ライダーだ、と騒いでいるのですから、 10代よりもっと下、かもしれません。 なので、 同年代の女性が閉経したと知らされ、 自分はもうそんな年齢になってるンだ・・・、 と改めて実感・自覚したわけです。 いやはや、なんとも・・・(汗)。 思えば、 趣味でやってる草野球も、 35年前の結成時にいた同年代のメンバーの多くは 年齢による体力の限界を理由に脱退していて、 現在は、その脱退したメンバーの息子さん(結成時には影も形も無かった子)がメンバーにいるくらいなのに、 僕はと言えば、 いまだに変わらぬテンションで続けているのですから、 きっと、脳内時間が止まっているのでしょう。 |
以前、その草野球の試合の後、 ゲイトウエイさんに立ち寄った際の写真。 “変身忍者 嵐” の刀のオモチャが入荷していたので思わず手に取り、はい、ポーズ。 ・・・これ、 野球をして、オモチャで遊んで・・・、 って、子供の時とやってる事が同じなンですよね(苦笑)。 この後、杉林店長に、 「店の商品で遊ぶな」 と叱られました。本当に子供みたいでした(再苦笑)。 |
まぁ、でも、 それでいいと思ってます。 精神年齢がどれだけ低かろうが、 好きな事やって楽しく自由に生きていけば、それが何よりの幸せですからね。 もちろん、 そんな思いどおりには、なかなかいかないのが人生ではありますが、 “好きな事をやる”、“楽しく自由に”、 ってのを 日々の暮らしの最優先項目に置いていれば、それに伴う苦難や試練は乗り越えられます。 歳をとった・・・、 なんていう当たり前の事を いちいち気にしたり嘆いたりなんかせず、 死ぬ1秒前まで、僕は夢見ていたいと思います。 ・・・と、 そんな事を考えながら、 ふと、水槽の中を覗いたら、 ペットのモツゴが、こんな状態でジッとしてました。
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嬉しかったなぁ・・・。 だって、 神様がモツゴに グビラ人形の写真と同じポーズをさせて、 お前のその生き方でいいンだよ、 って、 僕にメッセージを送ってくれたわけですから。 ・・・え? ただの偶然? |
いやいや、そうは思えませんね。 だって、 モツゴがこんな立ったような状態でいるのは珍しい事ですし、 僕の目に留まるタイミングだって絶妙でしたし、 それに、 撮影した写真を見て気づいたのですが、 隣りの部屋(コレクションルーム)に置いてあるウルトラマンの大きな人形が 水槽のガラス面に写っていて、 “グビラ感” を後押ししてますので、 神様の粋な演出ごころを、感じずにはいられませんもの(笑)。 これはゼッタイ意味のある事です、ハイ。 ・・・というわけで、今回は、 そんなふうに神様の魂を宿してグビラと化してくれたモツゴに因み、 モツゴの怪獣を紹介・・・、 と思ったのですが、 ・・・いないンですよね、モツゴの怪獣なんて(苦笑)。 なので、 代わりに、何かほかの魚の怪獣か怪人で、ソフビ人形になってるのはいないか・・・、 とコレクションケースの中を探してみたところ、 こいつがいました。 |
オコゼルゲです。 オコゼルゲは、 『超人バロム・1』に登場したオコゼの怪人(魔人)。 淡水魚であるモツゴに対し、 オコゼは海水魚ですし、 “クチボソ” という別名があるくらい口の小さなモツゴと違って、 オコゼは、 上向きの大きな口をしてますので、 同じ魚でも、だいぶイメージが違いますけどね・・・(苦笑)。 |
『超人バロム・1』の、 記念すべき第1話に登場したドルゲ魔人ですが、 風狂な顔(笑)に絶妙にマッチしていた、あの「クワァーッ!」という甲高い鳴き声が、 “ドルゲ魔人” というキャラクター、 延いては『超人バロム・1』という番組の世界観を、 ものの見事に象徴していた気がします。 そういう意味で、 第1話に相応しい怪人(魔人)でした。 |
バンダイ製、全長約28センチ。 番組放映当時(昭和47年)の商品です。 第37回「色違いの妙味」や 第54回「僕らのバロム・1」でも述べた事ですが、 この2体、 レモンティーとアップルティー、って味わいのカラーリングの違いが、 いかにもアンティークソフビ、って感じで、 僕はとても気に入っていますし、 それ以外にも、 口が、くり抜いてあるか、くり抜いてないか、の違いもあって、 コレクターごころをくすぐるンですよね。 |
マルサンに始まる、“2期以降は手を抜く” という昭和のソフビ人形製造の慣例(笑)を考えると、 口を丁寧にくり抜いてある方が 最初に生産されたもの(いわゆる1期)で、 そのくり抜く手間を省いている方が 追加生産分(2期以降)の人形ではないか・・・、と思われます。 アンティーク・トイ市場におけるこれまでの出現率から推測してみても、現存数は前者の方が少ないでしょうしね。 |
くり抜いてない方は、 言わば、口が塞がれてしまっている状態なので、 なんだか、こもった「クワァーッ!」が聞こえてきそうです(笑)。 |
ポピー製、全長約15センチ。 ショッカー怪人のミニソフビより少し大きい、いわゆるミドルサイズくらいの人形です。 |
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こちらも番組放映当時の商品。 顔の造形が 先に紹介したバンダイ製の人形よりも実物に近いので、 口がくり抜かれてなくても、 「クワァー!」がはっきり聞こえてきそうです(笑)。 |
カラーリングは、 レモンティーでもアップルティーでもなく、 トロピカルパンチジュース、といったところでしょうか・・・。 これまた、美味なソフビです。 |
・・・あ、そうだ。 ついでに、こいつも紹介しておきましょう。 |
『仮面ライダー555』に登場した、スティングフィッシュオルフェノク。 オコゼルゲと同じく、オコゼの怪人で、 記念すべき第1話に登場、という共通点もあります。 バンダイ製 ライダー怪人シリーズ、全長約17センチ。 平成15年発売。 |
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同じオコゼの怪人でも、 オコゼルゲとは、 デザイン・造形や雰囲気、存在感が、まったく異なりますね。 |
・・・まぁ、 “昭和” と “平成” という時代だけでなく、 そもそも、番組自体のコンセプトや世界観も異なりますので、 単にオコゼの怪人という事だけで比較するのはナンセンスかもしれませんが、 やっぱ、断然、 圧倒的にぶっちぎりで、“昭和” の方が楽しそうです。 |
・・・あ、そうか! 精神年齢が低く、楽しく生きる事を何よりも優先する僕の、 この品性や感性のルーツは、 幼い頃に出会ったこの怪人にあったンだぁ!(笑) クワァーッ! |
【余談】 |
・・・そういえば、 『仮面ライダー555』で思い出しましたが、 ファイズに変身する主人公・乾巧を演じた半田健人さんと、 以前、或るテレビドラマで 共演させていただいた事がありました。 |
仮面ライダーと共演したぜ! って、特撮ファンの友人たちに喜んで宣伝しまくったのですが、 O.A.では、 前回述べたドラマ同様、 僕の出演シーンは無残にもカットされていたのでした(涙)。 |
・・・あぁ、悔しくて悲しい気持ちが、また甦ってきた。 クワァーッ! |