第207回「夢を見続ける事が僕のファンタジー」 2021.4
『仮面ライダー』生誕50周年を記念して、 この度、 『仮面ライダーBLACK』が 『仮面ライダーBLACK SUN』として新たに制作される事が決定した、との事。 いやぁ、楽しみですねぇ~。 ワクワクします。 なので今回はそれを祝い、 『仮面ライダーBLACK』を特集させていただきます。 ・・・なんか、今年に入ってから仮面ライダー関連の話ばっかりしてる気がしますが、 やっぱ生誕50周年ですし、 何より、 ごめんね、仮面ライダーの話が好きだから。 僕、別に仮面ライダーじゃねえし、たまたま昔ライダー観てた、っていうだけだけど、 めっちゃ仮面ライダーが好きだから、ごめんごめん・・・、 ってわけですので(笑)、 どうか、よろしくお付き合い下さいませ。 ・・・あ、いやいや、 例の倉田てつをさんの件を茶化しているわけではありませんよ。 あの失言、 あまりにも軽率で無神経で、にわかに信じ難い内容ではありましたけれども、 御本人も反省して、 後日、正直な言葉で謝罪されてましたのでね、 仮面ライダーは改造人間、 所詮、人間ですから、虫の居所が悪い日も、そりゃあるだろう、 と受け止め(笑)、 そんな倉田てつをさんにエールを送る意味でも、 改めて、 「僕は “仮面ライダー” が大好きだ!」 と、声高らかに発信したいのであります。 それに、 倉田てつをさん(=南光太郎)が歌った『仮面ライダーBLACK』の主題歌の歌詞に、 ♪夢を見続ける事が俺のファンタジー って箇所がありますが、 あれを、 “ファンタジー” を “幻想” と直訳して、 夢を見続けて生きるなんて幻想だ、 なんて解釈してるバカは、 まともなライダーファンにはいないはず。 南光太郎の言葉をそのまま受け取ってはいけないのですよ(笑)。 ちゃんと真理を見つめなきゃあ。 それでは、 夢を見続けて真理を見つめつつ(笑)、本題へと参りましょう。 『仮面ライダーBLACK』は、 昭和62年の10月から放送が開始された仮面ライダーシリーズ第8弾。 第7弾の『仮面ライダースーパー1』から、6年ぶりのシリーズ復活を果たす新作でした。 当初は、 とりあえず2クール制作・放送してみて、 視聴率が悪ければそれで終る予定だったそうですが、 評判が良かったため (・・・当たり前です。“仮面ライダー” をなめンなよ、っつの!(笑))、 そのまま延長となって1年間続き、 更には、 続編(『仮面ライダーBLACK RX』)まで作られる人気番組となりました。 僕は当時、社会人1年生でしたが、 番組開始のニュースを知って、 大人になってからも新しい “仮面ライダー” が観られるンだ・・・、 と、とても喜ばしく思った事を憶えています。 というのも、 昭和62年というと、 僕が子供の頃に夢見て愛した特撮・実写作品のシリーズは、 スーパー戦隊が残っていただけで、 ゴジラもガメラもウルトラも、そしてライダーも、 とうに過去のものとして、忘れ去られているような時期でしたし、 また、僕自身が、 ついに学生時代が終わって社会に出たものの、 特にやりたいと思った職業に就いたわけでもなかったゆえ どうにも退屈な毎日を過ごしており、 そんな状況を、 もう夢なんか見てる年齢じゃないから・・・、 と無理矢理思い込んで納得しようとしていた事もあって、 そんな覇気の無い心に、 急に光が射したみたいな気がしたンですよね、“仮面ライダー” の復活で・・・。 そうか、 べつに社会人になってからでも、自由に夢見ていいンだ・・・、 僕の人生、まだまだ夢見る余地があるンだ! そう思えて、 胸がときめいたンです。 たかがテレビ番組(それも子供向けの)で、アホか!? とか、 いい歳して、気は確かか? とか、 って呆れる人もいるかもしれませんが、 僕、ときめくンですよ、ホント、“仮面ライダー” って聞くと・・・。 心に力が湧いてくるンです。 今思うと、 ソフビコレクションを始めるちょうど1年前でしたので、 あれで脳内のスイッチが入り、 生活を二の次にして夢だけ見て生きる暮らしに順応出来るよう、 精神のアイドリングが始まったのかもしれません(笑)。 ・・・で、待望の第1話。 まず、BLACKの容姿にシビレましたね。 1号・2号のビジュアルを踏襲しながらも、血の通う生き物の生々しさが強調されたあのデザイン・造形は、 まさに、 子供の頃に憧れた仮面ライダーの現代風アレンジ版、 といえるもので、 痛快なまでの好印象を抱きました。 と同時に、 まさに “原点回帰” といえる作品の世界観や雰囲気が、 子供の時に『仮面ライダー』を最初に観た際の感覚を熱く甦らせてくれて、 そう、そう、これこれ、この感じ・・・、 って満足しながら、 シリーズの見事な復活を感動的に実感したものです。 つまり、 まことにもって期待どおりな、新しい “仮面ライダー” だったわけです。 脚本を担当した上原正三さんは、後に、 カラフルな数人のヒーローが ショー化した闘いを繰り広げる戦隊シリーズが当たり前の時代、 つまり、真剣に闘う必要が無い時代に、 単体のヒーローの殺伐とした闘いは、今ひとつ合わなかったし、インパクトも弱かった・・・、 と振り返っておられましたが、 僕の感想は、まったくその逆でしたね。 まぁ、仮面ライダー世代・仮面ライダーファンゆえの贔屓目もありますが、 やはり、 ヒーローというのは、1人で悪に立ち向かうのが雄々しいと思いますし、 ヒーロー = 戦隊 という時代だったからこそ、余計にそれが際立って感じられたのです。 また、 “BLACK” という名前のとおり黒い姿のライダーでしたけども、 その “黒” というのが、また良かったンですよねぇ。 赤や黄色やピンクといった派手な色をした数人のヒーローで構成された戦隊に対し、 たった1人で闘う仮面ライダーの色が地味な “黒” というのは、 イメージとして、 その、戦隊との人数の違い、つまり “1人である事” を強調する結果となり、 “哀しみを背負った孤独なヒーロー” という仮面ライダーの “大前提” が明確に表現され、 悪との争闘の厳しさや激しさを、 より渋く、よりカッコよく、観させてくれましたから。 “黒” が映えたわけです。 また、 BLACKに変身する主人公・南光太郎を演じた倉田てつをさんのカッコよさにも、 僕は番組の成功を確信しましたね。 凛々しい眉の強い目力で、 どちらかというと “濃い顔” なのに、どこか滲み出る爽やかさ、そしてスマートな体つき・・・、 こんなカッコいいお兄ちゃん、どこから見つけてきたンだ? と思ったものです。 ・・・え? 偉そう? まぁ、当時は、一般の視聴者でしたので・・・。お許し下さい(笑)。 でも、テレビ観てた人、みんな、そう思ったンじゃないですかねぇ・・・。 仮面ライダーは、 ウルトラマンと違って変身前も変身後も同人格ゆえ、 変身して急にカッコいいヒーローになるわけではありませんから、 本郷猛や一文字隼人や風見志郎がそうだったように、 変身する前から、もうすでにカッコいい人、 変身する前から、仮面ライダーとしての説得力を持った人、 でなければなりません。 なので、 演じる俳優は、 そういう見栄えの人・そういう雰囲気を持った人が求められますので、 倉田てつをさんは “ピッタリ” だったンですよね。 とても素敵でした。 そんなわけで、 当然の事ながら第2話以降も胸を躍らせながらの視聴となりましたが、 もう、大満足。 毎週毎週、観る度にどんどん惹き込まれていきました。 登場怪人たちのデザイン・造形も、 BLACKが 生き物としての生々しさを強調した “1号・2号の現代版” だったように、 ゴルゴム怪人も モチーフとなる動植物の不気味さをこれまた生々しく押し出した、 いわば “ショッカー怪人の現代版” って感じで、 それはそれは秀逸な出来栄えでしたので、 とても魅力的でしたし(ノミ怪人やベニザケ怪人なんて傑作だと思います)、 作品の新機軸であった、 シャドームーン(光太郎の親友である信彦が改造された悪の仮面ライダー)との悲しい闘いの物語も、 深くてシリアスで見応え充分でしたし、 ホント、最高でした。 最終回まで、飽きる事無くずっと楽しめました。 そして、 その最終回の翌週から始まる新番組が “続編” だった事も、嬉しかったですね。 単に、 この世界の続きがまだ観られる・・・、 というだけでなく、 番組が 僕のような大人の視聴者のみならず 当時の子供たちからも支持されていたという証ですから、 ファンとして誇らしかったのです。 そうやって、 往年のライダーファンにも 当時の子供たちにも愛された『仮面ライダーBLACK』は、 昭和の仮面ライダーシリーズのモニュメンタル作品、 だと言えますね。 数ある仮面ライダーシリーズの中から 生誕50周年にリブートされる作品として選ばれたのも、当然だと思います。
・・・え? どーでもいい? こりゃ失礼いたしました(苦笑)。 それでは、 仮面ライダーBLACKのソフビの紹介させていただきましょう。
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バンプレスト製 ビッグサイズソフビフィギュア。 平成15年のクレーンゲーム景品。全長約36センチ。 |
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・・・なんか、 こうして原稿を書きながら思い出してみても、 ホント、面白いテレビドラマだったと思いますね、『仮面ライダーBLACK』・・・。 子供の時に『仮面ライダー』に夢中なり、 大人(社会人)になってからも『仮面ライダーBLACK』を楽しめた事で、 “仮面ライダー” に対する愛は、僕のアイデンティティーのひとつになった気がします。 つまり、僕は見たわけです、愛が真っ赤に燃えるのを・・・(笑)。 さて、次回ですが、 『仮面ライダーBLACK RX』を特集させていただきます。
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