真水稔生の『ソフビ大好き!』


第174回 「夢見る大人のひみつ基地」  2018.7

僕の父親は喫茶店のマスターで、
休みの日でも、
自分で飲むために、家で、よくコーヒーを淹れていました。

香り豊かで、濃い味で、
コクに深みを感じるそのコーヒーが僕も大好きでしたので、
父親が
布製のこし袋片手に台所でお湯を沸かしているところを
めざとく見つけては、

 「あ、僕のもね」

と、頼んだものです。

本格的コーヒーが
家でも当たり前のように飲めるのですから、
喫茶店の息子に生まれてきた事を
僕は幸せに感じていたし、
そうやって、
休みの日でもインスタントコーヒーなんかは絶対飲まなかった父親の、
コーヒーの味に対する “こだわり” みたいなものに、
好感と誇りを抱いてもいました。

ただ、
イヤだった事もありまして、
それは、
家族や親戚などと数人で
喫茶店やレストランにおいて飲食する際における、父親の言動です。

父親は、
コーヒーの味に人一倍うるさいがゆえ、
そういう場合、
決まってその店のコーヒーの味にケチをつけるのです。
それが鬱陶しくて不快でした。

確かに父親の淹れるコーヒーの方が圧倒的に美味しかったンですけど、
ホッと一息ついてる瞬間や
みんなで楽しく話している最中に、

 「まっずいなぁ・・・」

とか

 「なんだ?これ、シャッビシャビだがや」

とか、
舌打ちまじりに聞こえてくるその謗り言は、いちいち耳障りで煩わしく、

 黙って飲んでろよ、うるせェなぁ・・・、

って、いつも思ってました。
 
 僕は黙ってコーヒーを飲む大人になろう、

そう心に誓ったものです。


なのに・・・、
なのに先日こんな事が・・・。

養成所時代の後輩と街でバッタリ会い、
その後輩の車で家まで送ってもらったのですが、
途中で、「お茶しよう」という事になり、
走る車の中から、
どこかに喫茶店はないか探していると、
1軒、また1軒、またまた1軒・・・、と
見つけた喫茶店をその後輩がスルーしていくのです。

最初は、

 助手席の僕は気づいたけど、
 後輩は運転しながらゆえ見逃したのかな、

って思ったのですが、
あまりに何軒も続くし、明らかに意図的に通り過ぎているようだったので、

 「なんで今の店に入らんの?」

と尋ねました。
すると、
その後輩は、こう答えたのです。

 「だって、真水さん、コーヒーの味にうるさいから、
  ヘタなトコ、気軽に入れませんよ」

驚きました。
コーヒーの味について自分が何か言った記憶など
まるで無かったし、
今までその後輩にそんな気を遣わせていたなんて、
夢にも思っていなかったからです。

僕は、自分でも無意識のうちに、父親と同じ事をしていたのです。
家業は継がなかったくせに、
自分がイヤだった父親の一面は、皮肉にも受け継いでしまっていたのです。
ショックでした。

 面倒くさい先輩だったンだな、僕は・・・、

と反省し、恥ずかしくもなりました。

ただ、
その後輩には悪いですが、
30年近く前に亡くなった父親が
今でも僕の中に生きてる事を実感して、
なんだか、ちょっぴり、嬉しい気持ちにもなりましたけどね(笑)。
不思議で勝手なものです、人間の気持ちなんて。

・・・で、その時、
「あっ!」って思い出したのです。
以前、
作家であり、玩具史研究家でもある神谷僚一さんが、
照れながらもどこか嬉しそうに、

 「仕事を継いだわけでもないし、
  生き方とか考え方とかを真似してるわけでもないのに、
  なんか、同じような事やってる気がするンだよね、親父と・・・」

と言っていた事を・・・。

神谷さんのお父様は、
本の形をした洋酒入れや
ピストルの形をしたライターなどを発明した工業デザイナー。
おそらく、
創造力や感性で勝負しながら人生を歩む “血” を、
親子で具えておられるのでしょう。

喫茶店のコーヒーの味にいちいちケチをつける僕ら親子と一緒にしては
失礼かもしれませんが(笑)、

 あぁ、こういう事なのかぁ・・・、

って感慨深く思ったのです。

しかも、神谷さんが
東京は浅草で経営なさってきた骨董玩具店 “空想雑貨” が
現在では
“空想カフェ” なる喫茶店を併設する形に進化しているので、
その事に、
勝手ではありますが、僕は因縁を感じてもしまいました。

空想雑貨さんは、
この『ソフビ大好き!』の連載でお世話になってるゲイトウエイさんと同様、
僕がコレクターになった時から
ずっとお付き合いさせていただいているお店で、
ただ客としてソフビを購入するだけでなく、
オーナーの神谷さんとは、
なにかと親しくさせていただき、
昔のオモチャやオモチャメーカーについていろんな事を教えてもらったり、
展示会や、本の出版や、テレビ番組など、
ソフビが関係するいろんな事に
コレクターとして携わらせてもらったりしてきました。

僕のコレクター生活が、
現在、充実した楽しいものになっているのは
空想雑貨・神谷さんのおかげ、と言っても過言ではないでしょう。

何を隠そう、
この『ソフビ大好き!』というエッセイを書いてる事自体も、
神谷さんの影響ですから。
・・・いや、
“影響” というより “真似” かな(苦笑)。

元々は、
モダン文化マーケット(以前名古屋で開催されていたトイショー)の
出店者や来客者に配布する小冊子用に、

 オモチャにまつわる小説を連載してほしい、

と主催者側から依頼されたのを、

 小説ではなくエッセイで・・・、

と僕の希望で変更させてもらったのが、
この『ソフビ大好き!』の始まりである事は、
以前にも述べましたが、
実は、
単に小説が思うように書けなかっただけでなく、

 ソフビコレクションを題材にエッセイを書きたい、

という気持ちが、
元々僕の中に存在していたンですよね。

それは、神谷さんのエッセイを読んでいたから、なンです。

平成5年か6年だったでしょうか、
神谷さんが、
『ガンタマ ~浅草の玩具の魂~』も
『怪獣玩具の冒険』も
『玩具屋探偵まぼろし日記』も
『骨董魔術論』も、
まだ何も発表されていない頃に、
それらエッセイの “試作” のようなものが
4、5枚のB5サイズの紙にプリントアウトされて、お店のカウンターに置かれていました。

 『ゴメスの創造力』、

ってタイトルに惹かれて読ませていただいたら、これが実に魅力的な内容だったンです。

エッジの効いた、昂然たるその文章からは、
神谷さんの、
読書家であるがゆえのハンパない知識量と、
クールに見えて実は激しい気性(笑)が窺えて、
超個性的で面白かったし、
何より、
ソフビの魅力や
それを追いかける事の楽しさが紙面に満ち溢れていて、
読んでて気持ちが躍ったンですよね。

 こんなの、僕も書いてみたいなぁ・・・、

そう思ったンです。

この『ソフビ大好き!』が
かれこれ20年以上も続いているのは、
僕の気長な性格(しつこい、とも言う(笑))がエネルギー源だからですが、
最初に生み出したエネルギー源はというと、
間違いなく、
神谷さんの、その、
作家デビュー前の幻のエッセイ『ゴメスの創造力』を読んだ時の “トキメキ” なンですよね。
あれから、すべては始まりました。

なので、
いつか書きたいと思っていた “ルーツ” ですし、
“コーヒー” から思い出したのは、ちょうど良い機会だとも思いますので、
今回のお題は、

 “空想雑貨・神谷さん”、

これで行かせていただきます。



“空想雑貨” は、不思議なお店でした。
そもそも、
何屋さんなのかよく解からなかったし、
店主の神谷さんに、“商売っ気” みたいなものをまるで感じなかったのです。

ファーストコンタクト(笑)は、
忘れもしない、
『宇宙船』(朝日ソノラマ・刊)の1988年10月号に載った広告がきっかけ。

 “怪獣たちが夏休みの先生だった”

という、
なんだか気になるコピーと
先生に扮した怪獣ガラモンのイラストに、
肝心の商品説明は、

 “怪獣 ロケット 水晶 宇宙文学 貝殻 オートバイ”

とあるだけ。
何屋さんなのか、
いや、それがお店なのかどうかさえも判らない広告でしたが、
導かれたように、
書いてあった住所の場所へ実際に行ってみると、
怪獣のオモチャと、
そのほかに、
鉱物標本や貝殻も売っていたし、古いオートバイも置いてありました。

広告どおりでした(笑)。

生活雑貨ではなく、
実際の生活には必要ない雑貨、
つまり、その名の通り “空想雑貨” を、売るお店だったのです。

惹かれましたね、とにかく。
四半世紀後にカフェを併設するまでなく、
もう、当時の時点で、ほかのアンティーク・トイ・ショップとは
明らかに異なる雰囲気がありましたし、
何より、
店主の神谷さんの個性が強烈でした。

なんたって、
初対面でいきなり、延々とソフビについて熱弁して下さったのですから。

 ソフビが大好きで集めてます、

と自己紹介した僕に、
開口一番、

 「おぉ、それは、お目が高い。
  ソフビ怪獣は実に優れたオモチャなんですから・・・」

と言ってくれた事が、忘れられません。

 「何が凄いってさぁ、
  もう、“やんちゃ” じゃん、造形が。
  例えばさぁ・・・」

神谷さんはそう続けると、
背後の棚にあったマルサンのゴモラ人形を手に取り、
お腹の部分を指して、

 「ここなんて、ほら、
  なんか、スパゲティを自由奔放に盛り付けたみたいでしょ?」

って語り出しました。
その表現の妙にも感じ入りましたし、
以前、

 モリサダ君という近所の友達が、
 いっしょにソフビ怪獣人形で遊んでいた際に、
 持っていたマルサンのゴモラ人形を僕の目の前にかざし、

  「お腹のビラビラが凄いだろぉ?
      簡単には、こんなふうに作れんゾ」

 って言った、

っていう子供の頃の話を述べた事がありますが、
その思い出が甦って、
僕はまるで運命を感じるような感覚で、
神谷さんのソフビトークにすんなりと引き込まれていったのです。

ほかにも、
その時、お店にあったソフビを次から次へと手に取って、
ミクラス人形の足とか
ジャイアントゴリラ人形のお尻とか、
マルサン造形の魅力を、神谷さんは語り続けました。

それは、
売らんがためのセールストークではなく、
言葉ひとつひとつに、
神谷さんのソフビに対する個人的興味が感じられて、
好印象だったし、
ソフビの造形や製造メーカーのコンセプトについて語る人なんて、
僕は初めて見たので、
新鮮、かつ、衝撃的でもありました。

しかも、
聞けば神谷さんは僕より10歳年上、との事で、
ソフビ世代ではないのです。
そこが、ポイントでした。

ソフビ世代じゃない神谷さん、
つまり、
“個人的思い入れを抜きにして冷静にソフビを見られる人” が

 「ソフビは優れたオモチャ」

と断言し、
その魅力を熱く語ってくれた事で、
僕は、それが、ソフビ怪獣人形という玩具の正しい評価である気がして
とても嬉しくなり、
コレクションを続けていく励みになったのです。

というのも、
僕がコレクションを始めた当時、
マルサンやブルマァクのソフビは、
“怪獣ブームの中で売られていた” という懐かしさに価値があるだけで、
現在のリアルな造形のバンダイソフビと比べて “技術の低い昔の商品” 、
という評価が一般的でして、
僕はそれをなんとなく不満に感じていたからなのです。
子供の頃、
マルサンやブルマァクのソフビで夢中になって遊んでいた実体験があったので、
あんなにも胸をときめかせくれたオモチャが、

 本当に現在のオモチャよりも劣るのか?

と、疑問を抱いていたンですよね。
けれど、
“懐かしい” という感情が最優先で存在しているゆえ、
公平なジャッジとして異議を申し立てる自信が無かったのです。

そのモヤモヤを吹き飛ばしてくれたのが、誰あろう、神谷さんだったわけです。


楽しかったですね、
空想雑貨さんのカウンターに座って、そんな神谷さんと話すのは。
開店から閉店時間まで、一日中いた事もあります。

今回、
空想雑貨さんの事について書くにあたって、
空想雑貨さんで購入したソフビを何か紹介しようと思い、
コレクションケースの中を見回して気づいたのですが、
30年来の付き合いで、
空想雑貨さんで購入したソフビは、他店で購入したものと比べると、
僕のコレクションの中では圧倒的に数が少ないのです。

それは、
空想雑貨さんの品揃えが
他店より劣っていたという事では決してなく、
僕が空想雑貨さんに行ったり神谷さんに電話したりする目的が、
ソフビ購入よりも、

 あのお店の雰囲気に浸りたい、神谷さんと話がしたい、

っていう事だった証なンですよね。

だって神谷さんは、
前述したように、
ソフビを売ろうとせずにずっと語るだけだったり、
僕が、ガラスケースの中にあったライダー怪人のソフビを

 「これ、下さい」

って言って買おうとしたら、

 「そのへんなら、
  古いオモチャ屋の倉庫にまだ残ってる事もあると思うから、
  自分で探したらぁ?」

なんて言ったりするンですから。

店で売ってる商品を買おうとしている客に向かって
「自分で探せ」なんて言う店主、
世界中で神谷さんだけだと思います(笑)。

最初は、
意味が解からず、

 機嫌でも悪いのかな?

なんて思ったりもしましたが(笑)、
要は、

 アンティーク・トイ・ショップで買うのもいいけど、
 昔からやってるオモチャ屋さんの倉庫や
 もう廃業してしまったオモチャ屋さんなどを訪ねて
 自分で見つける “ハンティング” をした方が、もっと楽しいよ、

って事だったンですよね。
 
言うなれば、
“ソフビ” をただ勧めるのではなく、
“ソフビと楽しく過ごす日常” を、勧めてくれていたわけなンです、神谷さんは。

なんて稀有なお店の、なんて粋な店主なのでしょう。
改めて感服してしまいます。

 何屋さんなのかよく解からなかった、

って先ほど述べましたが、
何屋さんでもよかったンです、結局。

石や貝殻を売っていようが、
懐かしいオモチャを売っていようが、
コーヒーを売っていようが、
あの独特の空間で
神谷さんが僕らに提供しようとするのは、
“モノ” ではなく、
その “モノ” を通じて夢見るように過ごす、楽しい時間。

何屋さん、と言うよりは、
いつか神谷さんも御自身でおっしゃっていたように、

 “夢見る大人のひみつ基地”、

これが、いちばん “空想雑貨” を言い得ている答えだと思います。

 
          そういえば、
2、3ヶ月前でしたか、
テレビ朝日の『じゅん散歩』で
空想雑貨(空想カフェ)さんが紹介された際、
高田純次さんが、
お店のドアを開けるや否や、

 「ここは何屋さんですか?」

って神谷さんに聞いたので、

 やっぱり、そうなりますよね、最初は・・・、

と、心の中でニヤリとしてしまいした。
そして、

「ここは “夢見る大人のひみつ基地” です」

と、テレビの中の高田さんに向かって、
神谷さんの代わりに答えてあげた次第です(笑)。 


  先述のファーストコンタクトの際に購入した、
マルサン製のウインダム
全長約24センチ。 



数ヶ月前、下北沢のお店で、
同じ型で彩色もたいして変わらないブルマァク版の方を
すでに購入していたのですが、
神谷さんのソフビトーク・マルサン薀蓄を聞いていたら、

 ブルマァク版を持ってて
    マルサン版を持っていないのはおかしい、

と急に強く感じ出し、熱い衝動に駆られて買ってしまいました(笑)。


 
 「いくらですか?」

と聞いたら、
神谷さんは、値段を言う前に、

 「なんで親指が曲げて造形されてると思う?」

なんて言って、また語り出しました。
 
 わかったから、はよ、値段を教えてくれ!

って思ったものです(笑)。 
                     
                   
                 


  こちらは、
その翌年だったか、
模型雑誌『ホビージャパン』に載った空想雑貨さんの広告を見て、
通販で購入した、
ポピー製 キングザウルスシリーズのタッコング
全長約12センチ。
                                   
値段は安かったけど、
電話して即注文ではなく、
葉書に、

 “今後空想雑貨にしてほしい事”

を書いて応募し、
抽選で当たったら購入出来る、というシステムでした。

 本当に欲しがってる人に売って下さい、

って書いて応募したら、
数日後、

 「当選しました」

と神谷さんから連絡がありました。

単に抽選に当たっただけだったと思いますが、
なんだか、神谷さんに認めてもらえた気がして、
してやったりな気分になった事を憶えています(笑)。
 
       
   
     タッコングは、海中から現れる、オイルが大好物な怪獣ですが、
   この、全身に浴びるように吹かれたメタリックな塗装が、海水と石油が混ざった際の光の反射を思い起こさせ、
   今、まさに、タンカー船や石油プラットホームを襲撃している最中、って感じで、人形に迫力を与えています。
   見る度に、カッコいいなぁ・・・、って思いますし、同時に、当選した悦びも甦って、とても幸福な気分になります。


  これは、
お付き合いいただいて数年経った頃に購入した、
ブルマァク製のバルダック星人
全長約22センチ。 
        ずっとお店にあって、
ずっと「欲しい」って言ってたのに、

 「1体しかないから勘弁して」

と断られ続けていて
 (研究資料として必要だったらしい)、
もう、その時点で、

 どんな店やねん!

って思ってたのですが(笑)、
或る日、

 「バルダックだけど、
  もっときれいなヤツが入ったから・・・」

と言って、
今まで店にあったきれいじゃない方を、
神谷さんは僕にまわしてくれるというので、
改めて、

 どんな店やねん!

って思った事を憶えています(笑)。 
     
  我が家に届いて箱から取り出した時、
この顔が、

 「悪かったな、きれいじゃない方で・・・」

って言ってフテくされてる表情に見えたので、

 「いやいや、
  ソフビ怪獣人形、ってオモチャはねぇ、
  少しぐらい、塗装が剥げてたり、傷があったりした方が素敵なンだよ。
  だって、それ、子供が夢中になって遊んだ証拠だろ?
  遊んだ跡の無い、きれいなソフビ怪獣人形なんて、なんか淋しいじゃん。
  僕は君を誇りに思って大切に所有するから・・・」

と、頭頂のコブをやさしく撫でてあげました。 
あれから20年余り、
その言葉どおり、
大切に大切に愛してきたので、
僕の気持ちが通じて信じてもらえたか、
最近では、
なんだか、少し穏やかな表情に
変わってきたような気がします。

・・・え? アホか、って?

ハハハ。
たとえ、気のせいだとしても、
僕にそう思わせてくれるンですから、
この人形は、やっぱり素敵なンです。


                              ♪


  これが空想カフェさんのコーヒー。

濃厚ですがクセが無く、わりとさっぱりしています。
飲み心地が良いので、
神谷さんとオモチャの話をしながら飲んでたら、
何杯もおかわりしちゃいそう。

死んだ父親にも飲ませてやりたかったものです。
たぶん、
ケチはつけないと思いますので(笑)。

土星の形をしたカップは神谷さんのデザイン。
リングの部分に小さな煎餅が乗って付いてきます。
店内の雰囲気共々、センスが光ってますね。



『ゴメスの創造力』に、こんな一節がありました。

 創造力のロケットに乗り続けることは難しい。
 飛行距離も 飛行速度も 飛行時間も 飛行高度も 落ちていき、
 たぶんどこかの生活引力圏に不時着するのだろうが。

『ゴメスの創造力』に憧れて始めたこの『ソフビ大好き!』は、
言わば、
“夢見る大人のひみつ基地” から飛び立った僕のロケット。
ポンコツですけど、
生活引力圏に不時着なんてせず、これからも乗り続けていこうと思っています。



  ※空想雑貨さんのホームページ http://www.kusou.co.jp/



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