第83回 「やっぱり猿が好き」 2010.12
ラジオを聴いていたら、
どこかの大学の先生らしき人が、
「先進国でサルがいるのは日本だけ。
ニホンザルはいるが、
アメリカザルやイギリスザルやフランスザルはいない」
と、或るトーク番組の中でおっしゃっていた。
なるほどそういえば、
日本はサルに馴染みが深い国なんだなぁ・・・、と
妙に納得してしまったのだが、
その後、
ふと気づくと僕は、
♪猿の軍団 猿の軍団・・・
と、無意識のうちに口ずさんでいた。
昭和49年の秋から翌年春にかけて放送されていたテレビドラマ『猿の軍団』の、主題歌である。
自分で口ずさんでおきながら、
懐かしくて急に泣きそうになった(恥)。
『猿の軍団』は、
人間の言葉を喋り、人間のように暮らす、
そんな進化した “猿” たちが支配している、恐るべき未来社会を描いたSFドラマ。
“猿” と言っても、
サル(ニホンザル)限定ではなく、もっと広い意味での “猿”、
ゴリラやチンパンジーやオランウータンといった類人猿を主とした、
いわゆる、人間以外の “霊長類” の事を指し、
そんな、
人間以外の霊長類である “猿” たちが支配する世界に
突然放り込まれてしまった人間が、
猿に追われ、猿と闘い、あるいは猿と心通わせながら、
その異様な世界の謎を解いていく、
という物語である。
僕は、この『猿の軍団』がとても好きだった。
製作は円谷プロとTBSで、全26話。
日曜日の午後7時30分からの放送が、毎週毎週、楽しみで仕方なかった。
低温生科学研究所に勤める泉和子先生(20代半ばの美人科学者)と
次郎(小学校の高学年くらいの男の子)、ユリカ(中学生くらいの女の子)の3人は、
或る日、
事故に巻き込まれて、未来社会に迷い込んでしまうのだが、
なんとそこは、
猿が支配する世界であった。
その驚愕する状況に戸惑い、何が何だか訳が解らぬまま牢屋に入れられた3人であったが、
猿たちが自分たちを処刑しようとしている事を知って脱走し、
その猿が支配する未来の世界で唯一生き残っていた人間である青年・ゴードと出会う。
そして、
人間と猿はずっと戦争をしていて、徐々に滅ぼされていった、という事実を知る。
そこから、
泉先生ら3人にゴードを加えた4人の、猿の国における逃亡と闘いの旅が始まるわけだが、
この4人以外の登場人物は全員が猿、という、
当時10歳だった僕には、
それだけで震え上がってしまうくらいの、実に恐ろしい世界観の物語であった。
劇中、
猿たちに取り囲まれたユリカが、
パニックに陥って一瞬正気を失う、というシーンがあったが、
ものすごくリアリティがあって、思わず鳥肌が立った事を憶えている。
でも、
猿たちが人間を “裸の猿” と呼ぶ点や
猿たちの生活様式の細やかな描写などが子供心にとても面白かったし(大人が見ても充分面白いと思う)、
謎の空飛ぶ円盤や愉快なロボットの登場などもあり、
興味や好奇心を大いに刺激されて、お話の中に猛烈に惹き込まれていった。
ちなみに、
空飛ぶ円盤の正体は、
地球社会を最良・最適な状態で維持するために
人間が造り上げた管理コンピュータ・ユーコムの、末端。
その人類の叡智の結晶であるユーコムが、
人間は破壊や殺戮を繰り返すから地球を破滅に追い込む、と判断し、
地球の支配者としてのポジションを人間から猿へと徐々にシフトさせた、
というのが、
人類衰退の原因、すなわち、猿が支配する未来社会の成り立ちであったのだ。
つまり、
人間は自分たちが造ったコンピュータによって管理された結果、排除され、滅びの道を辿ったわけで、
これは、
円谷プロの基本精神と言える “文明批判” に裏打ちされた、
作品が世に放つ重要なメッセージであった。
当時の僕は、
その問題提起の価値を、おぼろ気ながらもしっかりと、幼い胸に感じ取っていた。
そういう、
番組から滲み出ている何やら高尚な雰囲気が、たまらなく魅力的だった。
そしてもちろん、
登場する猿たちが皆、個性豊かで味のあるキャラクターであった事が、
番組が面白いいちばんの要因であった。
ゴリラ族、チンパンジー族、オランウータン族、の3大部族を主として成り立っている猿社会、
その中には、
人間は殺して絶滅させるべきだと主張する、チンパンジー族の長・ルザー長官や
同じくチンパンジー族の実力者で、
ゴードを妻子の仇と勘違いし、「この手で殺してやる」と復讐に燃えるゲバー署長など、
人間を忌み嫌う攻撃的・好戦的な性質の者もいれば、
人間を保護して、
猿と人間の共存する道を探そうとする、ゴリラ族の長・ビップ大臣(猿社会の最高指導者)や
猿でありながらもゴードと深い信頼関係で結ばれていて、
泉先生たちとも出会ってすぐに仲良しになった子供オランウータン・ペペなど、
人間たちと心が通じ合う、優しい性質の者もいた。
そんな猿たちの思惑や言動が、
ストーリーの主軸である泉先生たちの逃亡生活と絶妙に絡み合い、
猿社会という異世界でありながら、
その空気感や雰囲気を
視聴者に巧みに実感させてくれていたと思う。
たとえば、
裸の猿(人間)の処遇を巡る意見の対立に象徴される、ビップ大臣とルザー長官の確執などは、
ほかの部族に比べてチンパンジー族の人口が圧倒的に多い事や
ルザー長官がチンパンジー族による猿社会の完全支配を目論んでいる事も相まって、
一触即発状態にある猿社会の危険性を
解りやすく、かつ、劇的に映し出していて、
ハラハラしながら見ているうちに完全に感情移入させられている、という鮮やかなまでの面白さだった。
そうやって、
自分でも気づかぬうちに、
僕は、猿たちのキャラクター性の虜になっていた。
その惹きつける力たるや、並々ならぬものであった、と
今思い出しながら感服してしまう。
ビップ大臣もルザー長官も、ゲバー署長も小猿のペペも、
ドラマの完成度の高さに直結する、実に魅力的な名キャラクターであったのだ。
また、
そんなレギュラー猿たちのみならず、
泉先生たちが逃亡生活の中で出会うゲスト猿たちも、
その回限りの出演ながら、実に印象深いキャラクターであり、
登場エピソード共々、強く心に残っている。
淋しいユリカの心を
自作の曲を歌って慰めてくれた、売れないオランウータン歌手・リードや、
火山爆発の火の粉からユリカを守って死んだヒヒの青年(名前失念、ゴメンナサイ)、
あるいは、
泉先生たちを故郷の村のお正月に招待した女性オランウータン・ウラーや、
ゴードを息子、次郎を孫のように想い、
「いつかまた会いに来ておくれ」と言ってくれた、
独り暮らしの老婆オランウータン・ラルゴ(泣けたなぁ、あの回)など、
そんな温かい心を持った素敵な猿たちと、
泉先生ら人間たちとの心のふれあいが描かれた美しい場面の数々は、
僕の琴線を大いに振るわせ、
このテレビドラマを、一生忘れらない作品として、深く心に刻んでいったのである。
そういえば、
名前は忘れちゃった(再びゴメンナサイ)けど、
ゲバー署長の弟チンパンジーもいた。
確か準レギュラーみたいな形で時々登場していたと思うけど、
ゲバー署長と一緒で、
人間を殺そうとする軍団の一人、つまり “悪役” でありながら、
兄思いな一面が垣間見られるシーンが何度かあり、
それがとても印象的だった。
僕は、
年格好が当時の自分と同じくらいであった事から、次郎を自分に置き換え、
僕自身が猿の世界で逃亡の旅を続ける感覚で
毎週番組を見ていたのだが、
そんな優しい猿たちとの出会いや交流を実感すると、感動で胸がジーンとなったし、
それに、なんといっても、
泉先生を演じていたのは徳永れい子さん、
ユリカを演じていたのは斉藤浩子さん、なのだから、
とびきりの美女に挟まれた “両手に花” 状態、
しかも、
ゴードを演じていたのは『快傑ライオン丸』の “獅子丸” こと潮哲也さんだったから、
強くてカッコいい憧れのお兄さんも傍にいてくれるわけで、
恐ろしい世界の厳しい旅でありながら、
それは、
心ときめく、夢のような楽しい旅でもあったのである。
現代社会へ無事に帰還する事を切に祈りながらも、
こんな最高のメンバーと一緒にいられるのだから、
そこが猿の世界である事くらいは我慢しなくちゃな ・・・とも、思っていた(笑)。
とにかく僕は、
ドラマの世界に、どっぷりと浸かっていたのである。
それほど愛しく思う番組であった。
ところで、この『猿の軍団』、
今紹介したように、
猿が支配する未来社会に迷い込んだ人間たちの逃亡と闘いを描いた物語、
というわけなので、
誰がどう解釈しても、
それが『猿の惑星』の真似である事は間違いない(実際に20世紀フォックスから訴訟も起こされたらしい)。
だけど、
そこは天下の円谷プロ。
決して “猿真似” ではない、実に上質な作品に仕上げていた。そこが凄い。
まず、
♪愛という名の武器をとり
♪人間らしく斗え
♪猿の軍団 なにするものぞ
と、主題歌にも歌われているとおり、
物語の根底には
“人間の尊厳の、賛美と強調” というテーマが流れており、
そこには、
SFドラマをただの娯楽にはしない、という製作方針の気高さが感じられたし、
綿密な設定が用意され、
“人類がなぜ滅んだのか?”
“猿がなぜこんな進化を遂げたのか?”
という謎や秘密が
回を追う毎に解明されていく展開が、
デリケートな演出や凝ったカメラワークによって、重厚かつスリリングに表現されていて、見事だった。
見せ方が上手い、と言うか、テンポがいい、と言うか、
そんな、
ドラマ作りにおけるセンスの良さみたいなものが、明らかに光っていたのだ。
しかも、
猿の生態や習性を活かした設定や描写に関しては、
『猿の惑星』以上のレベルに達していて(贔屓目かな? ・・・いや、絶対勝ってた)、
子供心に、
「さすが円谷プロ!」
と思ったものである
(ちなみに僕は、
猿が蛇を嫌う事や、猿が物を下からしか投げられない事などを、
この番組を見て初めて知りました)。
当時、僕は、
前年に放映されていた『ウルトラマンタロウ』の幼児向けな作風に、
失望感のようなものと、ちょっとした淋しさを抱え、
ウルトラシリーズからは完全に心が離れていたので、
この『猿の軍団』との出逢いは、とてもありがたいものであった。
「じゃあ、そんな君にはこの作品を見せてあげよう」
と円谷プロから言われてる気がして、
凄く嬉しかったのだ。
ウルトラシリーズを素直に楽しめない年頃になってしまっても、
高品質な円谷作品を見続ける事が出来る幸せを噛みしめながら、
毎週見ていた事を憶えている。
また、
この『猿の軍団』を見終わると、
続いて午後8時からは同じチャンネルでテレビ版『日本沈没』が始まる、という、
当時の日曜ゴールデンタイムは、
本格的SFドラマを堪能出来る、実に楽しいひとときだったのだが、
その『日本沈没』の作者であるSF作家の小松左京先生が、
『猿の軍団』の原作・原案も担当していた、という事実を大人になってから知り、
ちょっと驚いたのと同時に、感動に近い納得を覚えた。
しかも、
小松左京先生以外にも、
同じく日本を代表するSF作家である豊田有恒先生や田中光二先生も加わり、
各エピソードのSF的考証およびプロット作りを担当していた、
というのだから、
なるほど番組が面白かったはずである。
成熟度がピークに達していた円谷プロが、
SF作家たちの全面協力を受けて、しっかりとしたシリーズ構成のテレビドラマを作ったのだから、
それが傑作にならないわけがない。
本当に素敵な、心底楽しめる番組だった。
そんなわけで、
たまたまラジオから聞こえてきたサルの話題から思い出した『猿の軍団』だが、
記憶が曖昧であったりする事や、思い出を美化してしまっているであろう事を差し引いても、
相当面白いテレビドラマであった事を、
改めて認識している次第である。
では、
例によってコレクションの紹介に移ります。
『猿の軍団』関連のソフビ人形は、当時ブルマァクから、
番組に登場した猿たちが、
スタンダードサイズ、ミドルサイズ、ミニサイズ、ジュニアサイズの4サイズで、数種類発売されていた。
まずは、
いちばん多く種類があるミニサイズの人形から。
ペペ 全長約12センチ。 第2話から登場した小猿。 昔、山でゴードに助けられた事があり、その時以来ゴードを慕っている。 それが縁で、 泉先生たちとも行動を共にするようになるのだが、 猿である事や子供である事を活かして、 逃亡の旅を助けるため結構活躍した記憶がある。 最後にお母さん(育ての親であるおばさんだったかな?)のところへ無事に戻れたが、 それは同時に、 熱い友情が芽生えていた人間たちとの別れを意味した。 特に仲が良かった次郎との、涙にむせぶ別れのシーンは、 ブラウン官の前で、僕にも大量の涙を流させた。 |
ゲバー署長 全長約13センチ。 地方警察のトップであり、 常に権力と暴力を振りかざして威張り散らす、嫌なヤツ。 ゴードに妻子を殺されたと思い込んでいるため(完全なる勘違いなのだが)、 裸の猿(人間)に対して異常なまでの敵意を持つ。 ゴードの命を執拗につけ狙って追いまわし、 罪も無い民間猿や軍団の仲間を騙したり殺したりしてでも、 その復讐を果たそうとする。 そんな卑怯で冷血な性格に、何度怒りを覚えたことか。 僕は当時、こいつが大嫌いだった。 そのせいで、 チンパンジーという動物自体も、一時嫌いになりかけた(笑)。 |
カラーリングが異なるバージョンもある。 |
ビップ大臣 全長約14センチ。 生き物すべてに生きる権利がある、と 裸の猿(人間)である泉先生たちを最後まで保護しようと努力した、 中央政府の治安大臣。 怪力の持ち主だが、花が好きな優しい性格。 ルザー長官との最後の話し合いは、 実に見応えのあるものだった。 チンパンジー族反乱の首謀者がルザー長官である事を知りながら、 社会が平和になるのなら、 自ら最高指導者の立場を退いてルザー長官にその座を譲ると言い、 民間猿たちの平穏な暮らしと 泉先生たち人間の安全を、 強く願い訴えたのだ。 そんなビップ大臣の言動に心動かされた軍団のチンパンジーたちが、 武器を捨ててルザー長官の下から次々と去っていくシーンは、 今思い出してもシビれる。 |
カラーリングが異なるバージョンもある。 |
サボ副官 全長約14センチ。 ビップ大臣に仕える腹心の部下ゴリラ。 最終回間際に、 チンパンジー族の反乱によって銃殺されてしまったのが、とても可哀想だった。 処刑場へ連行されていく際にビップ大臣の名を叫んだ声と、 最後に覚悟を決めて 堂々と自ら胸を張って処刑場へ歩いていった後ろ姿が忘れられない。 |
カラーリングが異なるバージョンもある。 |
警察隊 隊員 全長約14センチ。 こういった、名も無き隊員たちや一般の民間猿など、 その他大勢のエキストラ猿を演じていたのは、 僕が以前に研究実習生として在籍していた劇団の人たちであった。 つまり、 猿の軍団は僕の大先輩。 個人的には、ちょっとした誇りである。 |
カラーリングが異なるバージョンもある。 |
ゴビー地方長官 全長約14センチ。 中央政府の顔色ばかり窺っていた小心者のオランウータン。 僕の記憶が正しければ、 最初の1、2話くらいにしか登場していないはず。 たまたま僕は憶えてたけど、 忘れてる人の方が多いのではないだろうか。 ・・・で、 例によって そんなキャラクターを商品化してしまっているところが、 なんともブルマァク(笑)。 |
カラーリングが異なるバージョンもある。 |
占い師サバト 全長約13センチ。 猿社会には、 ゴリラ族・チンパンジー族・オランウータン族の3大部族以外にも、 ヒヒ族とかマンドリル族とかテナガザル族とか、 そういった少数部族があり、 この占い師はマンドリルであると思われる。 作品世界にリアリティを持たせる効果の、一翼を担った存在であったと思う。 ただ、 ゴビー地方長官と並んで、 全26話中、確か2、3回しか登場しなかったマイナーキャラ。 当時の子供たちには全くウケなかった人形だと思うので、 その分、現在コレクターになった僕が、 いっぱいいっぱい 愛してあげています(ほとんど記憶に無いキャラクターなのですが(笑))。 |
カラーリングが異なるバージョンもある。 |
そのキャラクターがマイナーだろうが不人気だろうが、 一切無視して、 こうやって当たり前のように商品化してしまうブルマァクなのだから、 どうせなら、 先述した歌手のリードとかラルゴお婆さんとかも、ソフビ人形にしておいてほしかったものである。 ちなみに、 いまだに出逢った事が無いし、噂も聞いた事が無いので、 このサイズでのルザー長官の人形は、発売されなかったと思われる。 ルザー長官は、 ビップ大臣やゲバー署長と並ぶ重要なキャラクターなので、 ゴビー地方長官や占い師サバトまで商品化したこのサイズにおいて、 ラインナップから意図的に外されたとは考え難い。 なので、たぶん、 ブルマァクの人が、うっかり忘れたンだと思う。 う〜ん、なんて粗雑で大雑把な会社(笑)。 |
お次は、
ミニサイズより大きなミドルサイズ。
ペペ 全長約17センチ。 |
|||||||||
ゲバー署長 全長約18センチ。 |
|||||||||
ビップ大臣 全長約19センチ。 |
カラーリングが異なるバージョンもある。 |
||||||||
警察隊 隊員 全長約18センチ。 |
今度は逆に、
ミニサイズよりも更に小さいジュニアサイズ。
下記のように4種がセットになって、ブリスターパックに入って発売されていた。
ペペ 全長約10センチ。 |
ルザー長官 全長約11センチ。 |
ゲバー署長 全長約11センチ。 |
チップ 全長約11センチ。 人間が造った召し使いロボット。 かつて、猿と戦争しながら人間が潜んでいた海岸ステーションで、 人間がいなくなった後もずっと留守番をしていた。 スパゲティを作ってくれたり、 ピンポンを一緒にして遊んでくれたりもする楽しいヤツ。 それでいて、 猿が攻めてきた際には、 怪力を発揮したり、光線を発射したりして 簡単に追い払ってしまう、という 見た目のカッコ悪さからは想像出来ない、優れた性能を誇るスーパーロボットだった。 猿たちからは、 “鉄の猿” と呼ばれ、恐れられていたが、 ゲバー署長率いる軍団の総攻撃からゴードたち人間を身を挺して守り、 最後は爆破されてしまった。 |
そして、 このサイズではチップ人形に限り、 このように、カラーリングが異なるバージョンもある。 よって、 4体セットをひとつ買っただけでは揃わない、 というコレクター泣かせ(喜ばせ?)のアイテムである。 でも、 チップには ポップという瓜二つの兄(チップより先に造られたから)がいたので、 この2体を、“チップとポップ” と思って愛でれば、 これぞソフビ蒐集の妙味。 また、 足の裏には、 チップでもポップでもなく、“ロボット” とあるだけなので、 どちらをチップ、どちらをポップ、と思っても自由(笑)。 |
そして最後に、
スタンダードサイズ。
ルザー長官 全長約23センチ。 中央政府の長官。 チンパンジー族による猿社会の完全支配を狙って クーデターを起こし、 最高権力を手中にほぼ収めかけるが、 前述した、 ビップ大臣との最後の話し合いで、 ビップ大臣の政治力と人格の前に完全に敗北する。 その後、 独り残された室内で、 テーブルに両手をついて悔し泣きするシーンが印象的だった。 |
スタンダードサイズの人形は、 このほかにも、 ビップ大臣やゲバー署長なども発売されていたようだが、 僕はまだ出逢えていない。 ・・・欲しいなぁ。 |
それにしても、
いくら素敵な番組の魅力的キャラクターだったとはいえ、
ただの猿の人形を、
ウルトラ怪獣なみに、いろんなサイズでこんなに何種類も商品化して、
ブルマァクは当時、本当に売れると思っていたのだろうか?
まったくもってよくわからないメーカーだ。
泉先生も次郎もユリカも、主役でありながらソフビ人形として商品化されていないので、
猿の人形が、只々何種類も存在するだけ。
せめて、
ヒーロー的存在だったゴードだけでも発売してくれてたら、
人形バトルが楽しめたと思うのだが・・・。
当時の子供は、これでどうやって遊んだのだろう?
・・・って言うか、
売れなかっただろうなぁ、ほとんど(笑)。
でも、
ブルマァクがそういう大味な社風のメーカーだったからこそ、
今、コレクターとして、こんなにも楽しい蒐集活動が出来るわけだから、
悪口なんか言ったら罰が当たるかな(笑)。
それに、
冒頭でも述べた通り、我が国・日本はサルにとても馴染み深い国。
ブルマァクが、
利益を度外視してこんなにも猿の人形を乱発したのは、
サルに愛着がある日本人ならではの、
猿が好きな日本人であるがゆえの、
独特の気質による “こだわり” であったのかもしれない。
そしてそれは、
『猿の軍団』が、
『猿の惑星』以上に、猿の生態や習性について深く掘り下げた作品であった事とも共通している。
そう考えると、
ますます、
奥深い魅力をブルマァクソフビに感じてしまう僕であった(笑)。