真水稔生の『ソフビ大好き!』


第119回 「SOMEDAY 〜今は寒(さむ)DAY、でもいつか・・・〜」  2013.12

AV女優の澤村レイコさんのブログのコメント欄に、
或るファンの方が、次回作に向けて、

 個人的にはアナルは休ませてあげてほしいな・・・、

という優しい言葉を書き込んでいるのを見つけ、心が温かくなった今日この頃です(笑)。


照れ隠しに “(笑)” なんて付けてしまいましたが、
本当にほっこり嬉しい気持ちになりました。
澤村レイコさんの魅力は、
上品で美しい女性が
そんなところまでも徹底的に犯されまくる、という
ダイナミックな “やられっぷり” にあるので、
無粋な僕などは単純にそれを期待するだけなのですが、
本当のファンは
そうやって女優さんの健康面にまで気遣うものなのだな、と
感心・・・いや、感動してしまったのです。

近頃はめっきり冷え込んでまいりましたので、
余計に、人の心のその何気ない温かみが、胸に沁みました。


ただ、
そうやって精神的には暖が取れたものの、
実際に体に感じる寒さはやっぱり変わりませんので、毎日が憂鬱で仕方ありません。
以前にも述べた事がありますが、僕は冬が大嫌いなのです。

夏が嫌いな人は暑いとイライラしていますが、
冬は、
イライラする気さえ湧いてきません。
精気を奪う、恐ろしい季節です。

冬に愉快な事や幸せな事など、僕には何ひとつありません。

たとえば、
クリスマスやお正月も、
春や夏にやってきてくれたら
もっと伸び伸びと心地よく過ごせるのに、
雪が降るようなこんな季節では、
肌に突き刺さる寒さ・冷たさに気持ちが萎えてしまい、全然楽しめません。

海や川原でバーベキュー、なんて気にも
もちろんならないし、
大好きな野球も、
プロ野球・草野球ともにシーズンオフなので、観る事もやる事も出来ないし、
ホント、つまらないです。

冬のスポーツ・レジャーと言えばスキーになるのでしょうが、
僕は、
ボーゲンしか出来ないし
スノボーもやった事がない(やろうとも思わない)し、
全然テンションが上がらないので、
「どうしても・・・」って友人に誘われない限り、絶対に行きません。

だいたい、
仕事でもないのに、
朝だか夜中だかわかンないような時間に
ブルブル震えながら起きなくちゃいけないし、
手足の指がちぎれそうに痛くなるのを堪えながら
タイヤにチェーン付けたり
スタッドレスタイヤに取り替えたり・・・、
スキーに行くなんて、
苦痛で面倒で、
鬱陶しいだけじゃないですか。
何が嬉しいのか、僕にはさっぱり解りません。
あと、
スケートなんかも苦手ですね。
ただでさえ寒いのに、
雪や氷があるところへわざわざ出かけて行くなんて、
荒行か罰ゲームですよ、そんなの。
信じられません。

とにかく、
寒くて気持ちが沈む、不快で苦しい季節である冬に、
何かをしようとか、どこかへ行こうとか、そういう発想が僕の中には全く無いのです。
「暗い」とか「つまらない」とか
「カッコ悪い」とか言われて馬鹿にされても、
寒いものは寒いのだから、どうしようもありません。
動きたくないのです。
動けないのです。


かといって部屋に閉じこもっていても、
今の僕には、
寒さとの辛く厳しい闘いから逃れられない事情がありまして・・・。

それは、
暖房器具が小さな電気ストーブひとつしか無い事。

コタツは離婚の際に持っていかれたし、
現在は集合住宅に住んでいるので
石油ストーブや石油ファンヒーターが使用禁止。
そのうえエアコンがぶっ壊れていて全く機能しないため、
冬場は
極めて生活しづらい環境となる我が家なのであります。

 冬眠出来るクマやコウモリを羨ましく思いつつ、
 このように、
 小さな電気ストーブの前に毛布をかぶって座り、
 ただひたすらに春を待つ、
 というのが、
 ここ数年の僕のこの季節の過ごし方です(苦笑)。


  そんなに寒いのが苦手なら、
  とっととエアコンを修理するか、
  ガスファンヒーターでも買うかすればイイじゃないか、

と思われるかもしれませんが、
売れない役者稼業、
アルバイトでなんとか食いつなぐカツカツな生活を送っている身の上でありますので、
なかなかそうもいきません。
しかも、
これも以前に述べた事ですが、
たまに仕事のギャラが多かった時には全額をソフビ購入に充てますので、
生活費は一切潤わないのです。

 だったら、ソフビを買うのを
 ちょっと我慢すれば済む話じゃないか、

とも思われるでしょう。
けれど、それも出来ません。
欲しいソフビはまだまだたくさんありますし、
マルサンやブルマァクなどのアンティークソフビは
絶版ゆえ現存数が限られていますので、
買える時に買っておかないと、
もう死ぬまで入手のチャンスは巡ってこない可能性が高いのです。
無理せず楽しみながら・・・、
なんて呑気なスタンスでは、コレクターはやっていけません。

“部屋は寒くて死にそうだけど、ソフビが1体でも多くある暮らし”

“部屋は暖かくて快適だけど、その分ソフビが少ない暮らし”
の、
どちらが幸せかを考えたら、
・・・いや、考えるまでなく、僕の選択は決まっているのです。

よって、
寒さと闘う(って言うか、寒さに耐える)しかないのであります。


・・・あ、それともうひとつ。
台所のガス給湯器も壊れてしまっているので、
お湯が一切出ず、
炊事や食器洗いには、
冬場でも冷たい水道の水を使わざるを得ません。これもキツい。

(う〜ん、スキーに出かけた方がマシかも・・・(笑)。)

それゆえ、
料理が得意な彼女も、この季節は料理を作ってくれません。
ってか、
部屋が寒いので、彼女が我が家へやってくる回数すら、激減します。

モロボシ・ダン(ウルトラセブン)も寒さには弱かったですが、
彼の場合、
基地へ帰れば、アンヌ隊員が温かいコーヒーを入れて待っていてくれましたからね。
僕には、それもないわけです(哀)。

不便だし、不自由だし、淋しいのだから、

 少しくらい、ソフビを買うのを我慢して、
 ガス給湯器を修理するか買い換えるかすればイイじゃないか、

って思われるでしょうが、
やっぱりそれも出来ません。

“冷たい水で食器を洗わなければならない、
 そのうえ彼女の美味しい手料理も食べられない、
 けれども、
 ソフビが1体でも多くある暮らし”

“温かいお湯で食器を洗える、
 彼女がいつもそばにいて美味しい手料理も食べられる、
 けれども、
 その分ソフビが少ない暮らし”
の、
どちらが幸せか・・・、以下同文(笑)。



でも、
そんな僕の生活が
特に変わってるとは思いません。
趣味・道楽に没頭する愉快な人生を送ろうとするならば、
誰でも、
その分野に興味の無い他人からは
理解してもらえない行いのひとつやふたつは、ありますからね。
スキーやスノボーが楽しくて仕方なく、寒い冬にはしゃいでいる人たちを、
僕が理解出来ないのと同じ事です。

以前、第117回「感謝状 魚介類殿」の中で触れた、
僕に時々寿司をおごってくれる友人にも、
よく、

 「マミちゃんは凄いね」

なんて言われますが、
どう受け答えしていいのか、困ります。
壊れたエアコンや給湯器も直さない、
ろくに食うモノも食わない、
そんな生活状態でありながらソフビを集め続ける僕の日常を
感心してくれているそうですが(実は呆れているだけだと思うけど(笑))、
お金が無いンだからどうしようもないし、
蒐集対象のものを求める、という、
コレクターとして当たり前の日々をただ過ごしているだけなので、
“凄い” と評されるような特別な要素は、僕の暮らしには無いからです。

実は、
その友人も、
数年前まではソフビを何十体と所有していました。
僕より1歳年上、
つまり同世代の男ゆえ、
怪獣映画やソフビ人形には当然ながら心惹かれる人種ですから、
興味を持って買い集めていたのでしょう。
でも、
今では全て売り払ってしまっています。
裕福な家庭の人なので、
別に経済的な事情によるものではありません。
単に意気が失せてしまっただけです。
蒐集には
お金だけでなく根気も必要ですから、
本当に好きでないと、長続きはしません。
その友人にとってソフビは、
懐かしいし、良さも解るけれど、
人生かけて集めていくほどの魅力を感じるものではなかった、ってわけですね。
なので、
とっくにそうやって足を洗った自分とは異なり、
いまだにしつこく蒐集を続けている(しかも貧乏なのに)僕の神経が
理解出来ないのでしょう。

けど、
僕からしたら、
すぐに飽きてさっさと処分してしまえるようなどーでもいい物を、
たとえ一時とはいえ、
何十万・何百万というお金を使って買い集めていたその友人の方が、
よっぽど凄いと思うンですけどね。
だって、
豪遊とも言えるそんなお金の使い方はもちろん真似出来ないし、
何より、
せっかくめぐり逢えて手に入れる事が出来た “愛しい幼なじみ” を
何の未練も無く淡々と換金出来てしまう神経は、
僕には理解出来ません。
生活や家族のために泣く泣く手放した、ってわけじゃないのですから。


まぁ、でも、
おかげでその友人の “おさがり” の何体かが僕のコレクションケースに納まり、
ありがたい面もありましたので、
理解し合えない仲、というのもイイものです(笑)。
っていうか、
それが人間というものですしね。

もし、
また人間に生まれ変れるなら、
その友人みたいなお金持ちになってみたいなぁ・・・。
そうしたら、
今よりどれくらいコレクションが充実する事だろう。
想像するだけで楽しくなってくる。
でも、
僕はその友人みたいに誰かに寿司なんかおごりませんけどね。
そんなお金があるなら、ソフビを買います。

・・・って、
なんか、小っちゃいというか、セコいというか、
そんな人間はイヤだな、やっぱ。

そうだ!
スキーやスノボーが大好きで、
毎年、冬を待ち焦がれるような人間に生まれ変わろう。
寒い季節が楽しい、なんて、
いったい、どんな感覚・気分なのだろう。
想像もつかない。
でも、
その人生においても、
当然の事ながらソフビは必死に集めるわけですから、
スキーなんかには行きませんけどね。
そんなお金があるなら、ソフビを買います(笑)。


・・・ってなわけなので、
今回は、
冒頭で述べた澤村レイコさんのブログのコメント欄のごとく、
せめて気分だけでも温かくなれるよう、
炎や熱にまつわる怪獣・怪人のソフビを紹介します。



 まずは、これ、キティファイヤー
 『ミラーマン』の第2話に登場した怪獣です。

     
















ブルマァク製 スタンダードサイズ、全長約22センチ。

 燃え盛る炎をイメージしてデザインされた造形は、
 昭和の怪獣史において傑作中の傑作。
 ミラーマンの初期怪獣はカッコいい、というイメージの定着に
 最も貢献した怪獣ではないでしょうか。

 そしてまた、
 放映当時にブルマァクが世に放ったこの人形も、傑作中の傑作。
 実物のキティファイヤーのアグレッシブな容姿を
 更にシャープに仕上げた造形が、
 目に飛び込んでくるカラーリング共々、実に衝撃的。
 別の怪獣人形が目当てでオモチャ屋に連れて来てもらっても、
 店頭でこの人形を見た瞬間、
 間違いなく子供の気持ちは揺らいだでしょう。
 一瞬で幼心を惹きつける、見事なソフビだと思います。

       
 デフォルメと言うよりも、
 実物の怪獣をオモチャとして美化した造形。
 そんなブルマァクならではの味わいが、
 少年時代にリアルタイムで体験した、あの怪獣ブームの盛り上がりを、
 まさに燃える炎の如く、熱く胸に甦らせてくれます。
 
  



 

 
 全長約10センチのミニサイズの人形も、
 ブルマァクとタカトクから、それぞれ発売されていました。

   

ブルマァク製




  
 
 


     

タカトク製



 
 
 


 お次は、『仮面ライダー』から、耐熱怪人ゴースター

   












ポピー製、全長約12センチ。

 煮えたぎる溶岩の中から現れた、マグマの改造人間ゴースター。
 ライダーキックも跳ね返す強靭な肉体と、口から吐く火炎や火山弾が武器です。
 ショッカー怪人の中で
 唯一、無機物がモチーフとなった怪人でしたが、
 ヒマラヤの雪男の改造人間であるスノーマン共々、
 彼らを作り上げた大幹部・死神博士の、
 “動植物の機能を具える改造人間” 以外のモンスターも製造出来る、という
 恐るべき天才科学者としての一面を、視聴者に強烈に印象づけました。

 単に “オモチャ” という観点で見てしまうと、
 このゴースター人形、
 先述のキティファイヤー人形とは対照的に彩色が地味で、
 子供の目を惹く力が弱いように思われますが、
 それは、
 ゴースターという怪人をよく知らない人の感覚。
 なぜなら、
 この苦味のある渋い彩色こそが、
 強敵ゴースターの魅力だからであります。
 
 実物のイメージを損なう事の無い賢明な色遣いは、
 リアルな造形である事も相まって、
 劇中の、
 ゴースターとダブルライダーの激しいバトルを生々しく思い起こさせ、
 逆に派手な色味に感じられようというもの。
 『仮面ライダー』の視聴者であった僕ら当時の子供たちなら、
 間違いなく飛びついた、優れた一品です。

          子供の頃、
    持っていた十数体のミニ怪人を
    バトルロイヤルみたく闘わせる、という遊びを
    僕はよくやっていたのですが、
    最終的な勝者は、いつもこの人形にしていました。

    こげ茶色のこの成形色に、
    “暗色のダンディズム” みたいなものを感じて、
    僕の中で、ゴースターを
    最強キャラとして設定していたンだと思います。














 続いて『仮面ライダーX3』に登場した、イカファイヤー
 イカと火炎放射器の合成怪人です。

   











ポピー製、全長約9センチ。

 ゲルショッカー壊滅後、
 生き延びた首領は、新たに悪の組織・デストロンを結成し、
 動物の能力に
 器物・機械の特性を兼ね備えた、新しいタイプの怪人を送り込み、
 ふたたび世界征服に乗り出しました。

   ハサミジャガー、カメバズーカ、テレビバエ、マシンガンスネーク、
   ピッケルシャーク、ガマボイラー、ミサイルヤモリ・・・etc.

 動物の体に機械が合体しているデストロン怪人たちの
 その姿はあまりにも強烈で、
 強さや恐ろしさに説得力がありました。
 このイカファイヤーもその1人で、我らのX3を苦しめた強敵です。

       イカと火・・・、
 なんだか、八代亜紀さんの歌を思い出して、ぬる燗が飲みたくなってしまいますが(笑)、
 イカファイヤーは自身を炙るのではなく、
 その高熱火炎を武器として使用します(当たり前)。

 放映当時に発売されていたこの人形は、
 ショッカー怪人のミニサイズ人形たちよりも更に小さく、
 可愛らしいマスコット的な要素も強いので、
 人形同士を闘わせる、というソフビ本来の遊びにはあまり向いていないかもしれませんが、
 造形もカラーリングも、
 実物の特徴・魅力をよく捉えており、
 劇中のX3とのカッコいいバトルを、熱く甦らせてくれます。


 最後は、
 『ウルトラマン』から、灼熱怪獣ザンボラー

         
     ポピー製 キングザウルスシリーズ、全長約16センチ。

 
 頭部から背中にかけての山脈状の角を発光させて、
 周囲を灼熱地獄に変えてしまう怪獣です。
 また、
 地中に潜っている状態でも地表を火事にしてしまうくらい、
 体温が異常に高いのも特長で、
 想像しただけでも
 寒さを吹っ飛ばす勢いがあり、
 この季節に思いを馳せるにはもってこいの怪獣ですね(笑)。

 僕が子供の頃は、
 ザンボラーはソフビ怪獣人形として商品化されていませんでしたが、
 『ウルトラマン』放映から遅れること約10年、
 昭和50年代のはじめに、ポピーがこの人形を製造・発売してくれました。
 
 四足歩行の怪獣を無理矢理立たせてしまっていて、
 それを是としない人も多いようですが、
 昭和のソフビ怪獣人形にはよくある事なので、
 マルサン・ブルマァク世代の僕としては、そこに違和感や不満はありません。
 むしろ、
 顔の表情とか手の表現とかが
 いかにもソフビ怪獣、って味わいで、お気に入りの人形のひとつです。

         


 下のソフビは、
 円谷プロがハリウッドのスタッフを使って制作した、
 『ウルトラマン』のリメイク作品『ウルトラマンパワード』に登場したザンボラー(バンダイ製)。
 平成6年の発売で、
 全長約35センチ、高さ約12センチ。
 当然の事ながら、ちゃんと四足でリアルに再現・造形されています。





いかがでしたか?
少しは心に暖が取れましたでしょうか?

・・・あ、
読んで下さった方は、
きっと暖房がきちんと効いた部屋にお住まいでしょうから、
炎や熱にまつわる怪獣の事考えて
無理矢理温かい気分になる必要なんて無いか・・・(笑)。


エアコンや給湯器を買い換えた上で、
更にソフビも買える、
そんな快適な暮らしが出来るよう、いつか役者として成功したいです。

いや、
いつかそうなれるように頑張ります。

いやいや、
いつかそうなる事を、この胸に誓います。

いつか、ね。

来年、50歳だけど・・・(苦笑)。



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